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2026.03.12

120年の過去が家族の絆で復活——佐賀市蓮池町「よしゅうかん」

120年以上の過去を持つ老舗割烹料理店が10年の時を経て家族の絆で再び息を吹き返しました。母から娘たちへと受け継がれた想いが形を変え、誰もが気軽に立ち寄れるカフェとして新たなスタートを切った「よしゅうかん」。割烹時代の上質な器と技術をそのままに、酵素玄米おにぎり御膳や本格だし巻き卵など、心のこもった料理で訪れる人を温かく迎えています。

120年の歴史に終止符——母の深い愛情から生まれた決断

「よしゅうかん」は、佐賀市蓮池町で120年以上の歴史を誇る老舗割烹料理店でした。10年前まで母の優子さんが営んでいましたが、苦渋の決断の末に閉店することになります。

「娘に継がせていいものかどうかということを考えた。いろんな世界を見てもらいたいという気持ちがあった。私の代で辞めて子どもたちには自分の好きなことをさせてあげたいと思って、一大決心して辞めました」

120年という重い歴史を娘たちに背負わせたくない——そんな母の深い愛情から生まれた決断でした。長女の真理子さんは、その言葉に嬉しさを感じながらも複雑な心境だったといいます。「閉めようという話を聞いたとき、自分の力不足をすごく感じました」と振り返ります。

10年の時を経て、妹の一言が背中を押した

閉店してからの10年間、「與衆館の名を守らなければ」という思いは、真理子さんの心の中で次第に大きくなっていきました。そして、転機が訪れます。

「どうするかの話をしたときに、妹が『姉ちゃんがするんだったら手伝うよ』と言ってくれた。その一言で動けました」

妹の支えがあったからこそ、120年の歴史を背負う決意を固めることができたのです。姉妹で店内を大幅に改装し、家族で再び「與衆館」の名を復活させることになりました。

親しみやすいカフェスタイルへと生まれ変わる

2月2日に新生「よしゅうかん」がオープンしました。外観は当時とほぼ変わっていませんが、内装は大きく様変わりしています。店名も漢字の「輿衆館」からひらがなの「よしゅうかん」に変更し、より親しみやすい雰囲気に。授乳室やキッズスペースも新たに設置され、赤ちゃん連れのママも安心して楽しめる空間になりました。

「以前は懐石料理店としてご利用いただいていましたが、もっと身近に感じていただきたくてカフェという形にしました」とスタッフは語ります。

新たな看板メニュー「酵素玄米おにぎり御膳」

新生「よしゅうかん」の顔となったのが「酵素玄米おにぎり御膳」です。割烹時代に使っていた器をそのまま使用しており、歴史の重みをしっかりと感じさせます。

酵素玄米とは、玄米・小豆・塩を混ぜて圧力鍋で炊き、なんと3日間以上蒸らしたもの。この時間をかけることで玄米独特の硬さが和らぎ、もちもちとした食べやすい食感が生まれます。「3日目ごろから食べやすくなります」とスタッフが説明するように、手間暇をかけた丁寧な仕込みが味の秘密です。試食したリポーターも「もちもち。お赤飯に近い感じ?」と驚きの声を上げていました。

割烹時代から受け継がれる、職人の技

御膳に付いてくる豚汁も、カツオと昆布ダシをベースにしたこだわりの一品。野菜を下茹でしてから入れることで味が染み込みやすくなるという調理法は、割烹時代からそのまま受け継いだものです。リポーターも「お肉の旨みがしっかりスープに出おり、野菜もしっかり味を吸い込んでいます」と感動していました。

だし巻き卵も割烹時代から続く一品です。「噛んだ瞬間にだしがじゅわっと出てくる。甘みもあって口どけがすごくいいです」とリポーターが絶賛するように、職人の技術が光る逸品となっています。

すき焼き御膳や地元コラボスイーツも充実

がっつり食べたい方には「すき焼き御膳」もおすすめです。地元・江頭精肉店のお肉を使用しており、「口どけが良くて、噛んだ瞬間にだしとともにお肉の旨みが溢れてきます」とリポーターも絶賛。こちらも割烹時代の御膳やお皿を使用しており、格式ある雰囲気を感じながら味わえます。
※すき焼き御前は4月までの期間限定となっております

また、同じく蓮池町の洋菓子店とのコラボスイーツも提供されており、食事からスイーツまで幅広い世代が楽しめるメニューが揃っています。

家族で紡ぐ、新たな120年へ

10年越しの再スタートについて、姉妹それぞれが想いを語ってくれました。

長女の真理子さんは「この10年間どうにかしなければと思いながらも子育てに追われて何もできなかった後悔がありました。今では再開できて本当に良かったと思っています」と振り返ります。

妹さんは「母が辞める決断をして、姉が始める決断をしたとき、自分が姉の支えになれればと思いました。よしゅうかんという名前を残してくれたことへの感謝は言葉になりません。昔たくさんの人が集ったようにまた多くの方でにぎわう場所にしたいです」と語ります。

スタッフも「以前よしゅうかんをご存じの方も多くいらしてくださって、昔の思い出話に花が咲く場になればうれしい」と、新旧のお客様を大切にする想いを語っていました。

まとめ

母の愛情、娘たちの覚悟、そして妹の一言——「よしゅうかん」の再出発は、家族の絆が生んだ物語です。120年の歴史から受け継いだ器と技術を守りながら、すべての世代が気軽に集える場所として新たな一歩を踏み出しました。蓮池公園のそばに佇むこのお店に、ぜひ足を運んでみてください。きっと温かな時間が待っています。
店舗情報
  • 店舗名 : よしゅうかん
  • 住所 : 佐賀市蓮池町蓮池6-53
  • 営業時間 : (ランチタイム)11:00~14:00 (カフェタイム)14:00~17:00
  • TEL : 0952-20-4117
  • 定休日 : 火・木・日・祝
【2026年3月4日放送 かちかちLIVE グルメグル より】

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