佐賀のニュース
佐賀県と国 九州新幹線長崎ルート整備めぐり考えの違い鮮明に
2020/06/25 (木) 19:52
九州新幹線・長崎ルートの問題です。24日、国交省の赤羽大臣らが佐賀県に視察に訪れましたが、県側との面会は叶いませんでした。県と国、すれ違う両者の考えの違いが、今月5日の事務レベル協議で具体的に見えてきました。今月5日、報道陣の前で2時間40分に渡り行われた県と国交省の事務レベルの会談。県・南里隆地域交流部長「非常におかしなことが行われているんじゃないですかということなんです。普通に考えた時に」国交省・足立基成幹線鉄道課長「ここのネットワークがどうあるべきかを、何度も言いますが、未来志向で考えましょうということです」
会談の目的は、両者で長崎ルートの協議に入るための条件を文書で取り決めること。3月、県が協議の条件を記した文書案を送ったのに対し、国交省が修正案を提示、ここで両者の考えの大きな違いとして浮かび上がったのが、「関西直通」についです。県が「山陽新幹線への乗入れ、新大阪直通にはこだわらない」と記した個所を国交省は削除していました。県・南里部長「これ正直私一番重いところだと思う。新大阪直通にこだわると言われていて、そうなると最初からフル規格かミニ新幹線しかないんです」選択肢とされる5つの整備方式。一般的な新幹線と同じ車輪の幅の標準軌の線路である山陽新幹線への乗り入れは、フル規格とミニ新幹線なら可能ですが、狭い車輪の幅狭軌を使うスーパー特急とリレー方式では出来ません。車輪の間隔を変えて標準軌と狭軌の両方に対応できるフリーゲージトレインも、当初は山陽新幹線乗り入れが可能だとされましたが、国交省は、安全性の問題で速度が十分出せないため乗入れ出来ないと説明しています。国交省・足立課長「中国地方や関西地方と西九州ルートがどのような形でつながるかは非常に重要なテーマだと思っている」県・南里部長「関西ってものすごく細いんですボリュームからすると福岡とか県内のJR利用者の方がボリュームが圧倒的に多いので」「通勤圏なので」関西直通へのこだわりを否定したい県と否定したくない国交省。国交省側が、「中身の部分なので協議に入ってから話したい」と述べると、県側は突如、協議入りを受け入れました。
佐賀県・山口知事「3つ今まで合意した事についてであれば、すぐ前に動き出すし、残り2つはかなり様々な問題が横たわっていて簡単にいく問題ではないと」県側は、フリーゲージトレイン、スーパー特急、リレー方式の3つは、これまでにすでに合意していて受け入れ可能だと話しますが、それぞれについて国と県の意見は食い違っています。
車輪の幅を変えて走るフリーゲージトレイン。国交省・足立課長「一番は車軸が摩耗するという安全上きわめて懸念がある状態」「高速鉄道に資する安全性を確保できるに至らなかったのが最大の原因であり」国交省は、安全性の問題で開発を断念したと謝罪。しかし県は、まだ開発の余地があるのではないかと指摘します。県・南里部長「山陽に行くと時速300キロを求めないといけないから300キロはなかなか安全性も難しいよねという話だと私は理解していて。少なくとも270キロは目途ついているんじゃないですかと、そもそも」県は「そもそもフリーゲージの断念について正式に説明を受けていない」としていて、フリーゲージトレイン断念の経緯も協議の焦点の一つになりそうです。
在来線と同じ車輪の幅を使用し、高速の特急車両を走らせるスーパー特急。県・南里部長「フリーゲージが導入できないと説明されるが、そうだとすると、元々その前に合意したスーパー特急に戻るのが本来筋ではないのか」「なんで武雄温泉-長崎間の工事を標準軌で進められるのでしょうかと」国交省・足立課長「ただ当時、この時に、じゃあスーパー特急に戻るべきだというのは、私の認識では、佐賀県さんからそういう話があったという認識はない」スーパー特急にしようとすると、すでにフル規格の標準軌で着工されている武雄温泉-長崎間を狭軌で作り直す必要があります。今月の県議会でも県はスーパー特急の可能性を指摘しました。県・南里部長一般質問答弁「スーパー特急でやると決まれば、レールの敷設をやり直すということは当然あり得るというふうに考えております」藤木卓一郎県議の質問「6000億円もかけて作った強大な鉄路は壮大な無駄となる。さらに狭軌の線路を引き直すことになる。そのようなことを長崎県や政府が飲めるのでしょうか」スーパー特急については、工事のやり直しの是非も議論になりそうです。
新鳥栖-武雄温泉間は在来線のままで、武雄温泉駅のホームでフル規格新幹線と対面乗り換えをするリレー方式。現状は、この方式で再来年度に暫定開業するべく整備が進められています。国交省・足立課長「武雄温泉駅での乗り換えが続くということになり、そこはやはり利用者の人の不便も続いてしまうことになるのではないかと」県・南里部長「対面乗り換えが不便だと言うなら、特急かもめを片一方残せばいいじゃないですかと」「急ぎたい人は対面乗り換えで行くし、乗り換えが嫌だったら今の特急かもめで行くとか。たぶんいろんなやり方があるんじゃないかと思う。そういうのを含めて幅広く議論すればいいと思います」また、営業主体になるJR九州は、リレー方式が続くと採算が取れないと訴える状況。
今月16日、5方式に対応する環境アセスを先行させようと提案した国交省と、それを突き返した佐賀県。「協議入り」という言葉とは裏腹に、両者の距離は縮まっていません。
会談の目的は、両者で長崎ルートの協議に入るための条件を文書で取り決めること。3月、県が協議の条件を記した文書案を送ったのに対し、国交省が修正案を提示、ここで両者の考えの大きな違いとして浮かび上がったのが、「関西直通」についです。県が「山陽新幹線への乗入れ、新大阪直通にはこだわらない」と記した個所を国交省は削除していました。県・南里部長「これ正直私一番重いところだと思う。新大阪直通にこだわると言われていて、そうなると最初からフル規格かミニ新幹線しかないんです」選択肢とされる5つの整備方式。一般的な新幹線と同じ車輪の幅の標準軌の線路である山陽新幹線への乗り入れは、フル規格とミニ新幹線なら可能ですが、狭い車輪の幅狭軌を使うスーパー特急とリレー方式では出来ません。車輪の間隔を変えて標準軌と狭軌の両方に対応できるフリーゲージトレインも、当初は山陽新幹線乗り入れが可能だとされましたが、国交省は、安全性の問題で速度が十分出せないため乗入れ出来ないと説明しています。国交省・足立課長「中国地方や関西地方と西九州ルートがどのような形でつながるかは非常に重要なテーマだと思っている」県・南里部長「関西ってものすごく細いんですボリュームからすると福岡とか県内のJR利用者の方がボリュームが圧倒的に多いので」「通勤圏なので」関西直通へのこだわりを否定したい県と否定したくない国交省。国交省側が、「中身の部分なので協議に入ってから話したい」と述べると、県側は突如、協議入りを受け入れました。
佐賀県・山口知事「3つ今まで合意した事についてであれば、すぐ前に動き出すし、残り2つはかなり様々な問題が横たわっていて簡単にいく問題ではないと」県側は、フリーゲージトレイン、スーパー特急、リレー方式の3つは、これまでにすでに合意していて受け入れ可能だと話しますが、それぞれについて国と県の意見は食い違っています。
車輪の幅を変えて走るフリーゲージトレイン。国交省・足立課長「一番は車軸が摩耗するという安全上きわめて懸念がある状態」「高速鉄道に資する安全性を確保できるに至らなかったのが最大の原因であり」国交省は、安全性の問題で開発を断念したと謝罪。しかし県は、まだ開発の余地があるのではないかと指摘します。県・南里部長「山陽に行くと時速300キロを求めないといけないから300キロはなかなか安全性も難しいよねという話だと私は理解していて。少なくとも270キロは目途ついているんじゃないですかと、そもそも」県は「そもそもフリーゲージの断念について正式に説明を受けていない」としていて、フリーゲージトレイン断念の経緯も協議の焦点の一つになりそうです。
在来線と同じ車輪の幅を使用し、高速の特急車両を走らせるスーパー特急。県・南里部長「フリーゲージが導入できないと説明されるが、そうだとすると、元々その前に合意したスーパー特急に戻るのが本来筋ではないのか」「なんで武雄温泉-長崎間の工事を標準軌で進められるのでしょうかと」国交省・足立課長「ただ当時、この時に、じゃあスーパー特急に戻るべきだというのは、私の認識では、佐賀県さんからそういう話があったという認識はない」スーパー特急にしようとすると、すでにフル規格の標準軌で着工されている武雄温泉-長崎間を狭軌で作り直す必要があります。今月の県議会でも県はスーパー特急の可能性を指摘しました。県・南里部長一般質問答弁「スーパー特急でやると決まれば、レールの敷設をやり直すということは当然あり得るというふうに考えております」藤木卓一郎県議の質問「6000億円もかけて作った強大な鉄路は壮大な無駄となる。さらに狭軌の線路を引き直すことになる。そのようなことを長崎県や政府が飲めるのでしょうか」スーパー特急については、工事のやり直しの是非も議論になりそうです。
新鳥栖-武雄温泉間は在来線のままで、武雄温泉駅のホームでフル規格新幹線と対面乗り換えをするリレー方式。現状は、この方式で再来年度に暫定開業するべく整備が進められています。国交省・足立課長「武雄温泉駅での乗り換えが続くということになり、そこはやはり利用者の人の不便も続いてしまうことになるのではないかと」県・南里部長「対面乗り換えが不便だと言うなら、特急かもめを片一方残せばいいじゃないですかと」「急ぎたい人は対面乗り換えで行くし、乗り換えが嫌だったら今の特急かもめで行くとか。たぶんいろんなやり方があるんじゃないかと思う。そういうのを含めて幅広く議論すればいいと思います」また、営業主体になるJR九州は、リレー方式が続くと採算が取れないと訴える状況。
今月16日、5方式に対応する環境アセスを先行させようと提案した国交省と、それを突き返した佐賀県。「協議入り」という言葉とは裏腹に、両者の距離は縮まっていません。
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