2020/09/18 (金) 18:57

佐賀県でも「児童虐待」が増えていて、特に去年は急激に増え、最終的な件数はまとまっていませんが、500件を超えるとみられています。さらに今年は5月までですでに、288件にのぼっています。県内でも4年前、虐待により子供が死亡する事件が起きていて、去年は、虐待で逮捕された事件が8件ありました。

キャスター：逮捕されたのは、身体的な虐待が多いと思いますが、他にはどういったケースがありますか？
大きく分けて4つあります。
1.子供の前で家族に暴力をふるうなどの（言葉での脅しや無視）「心理的虐待」。
2.「身体的虐待」「ネグレクト」というのは、食事を与えないなどの育児放棄です。
3.「性的虐待」です。
佐賀県では最近、「ネグレクト」が増えているそうです。児童に関する相談を受け付けている施設に話を聞きました。
子ども家庭支援センター和合 調淨信センター長：「ネグレクト状態にあるっていう虐待が増えていますね、子育ての仕方がわからないっていう状況にあって、叩くとか罵声を浴びせるっていうところに至っていく、そういう虐待の連鎖みたいなのがあると思っています。」

新型コロナの影響などで生活が大変な家庭もあるため、子ども家庭支援センターは、今年6月、1人親家庭などを対象に、緊急に、缶詰やレトルトカレーなどを届ける食糧支援を行いました。この時、訪れた母親からは、こんな声が聞かれたそうです。そのお母さんからの率直な意見として、
「買い物に行ってお米とか買ってきたいんだけど、中々その時間がない、またこういうご時世で（コロナ禍）でお金がない、そういう状況が続いていたんだ」。って言うお母さんたちの困り感、相談にも至っていない、生活に汲々としている事っていうのは、今あるのかなっていうところ」

佐賀では「ネグレクト」、育児放棄の虐待が増えているということでしたが、その要因として子育ての仕方がわからない、生活も苦しいが、誰にも相談もできない、といった声が聞かれるそうです。親子の「孤立」をどう防ぐかが、重要だと話します。

子ども家庭支援センター和合 調淨信センター長：「ご近所さんで気軽に声を掛け合ってほしいなって思います。そんな中で、ちょっとした変化、顔色が違うなとか、そんな変化に気付けるような関係を築いてもらえたらありがたいなって思います。本来子育てって、子供が少しずつ成長していく、そんな事って楽しい事なんだと思うんですよね。楽しい事っていうのは、やっぱり少しずつ行き詰まった事っていうのも当然発生する、そんなときには気軽に相談してほしいなって、当センターを含めて、利用してほしいなって思います」
子育ての悩みや、虐待に関することは、「189」に相談をしてください。また、インタビューした民間の施設・子ども家庭支援センターは臨床心理士などが無料で相談に応じてくれるということです。その1本の電話で、救える親や子供たちがいます。