2021/04/30 (金) 19:55

佐賀県産大豆にこだわった豆乳専門店が5月に小城市にオープンします。経営厳しいコロナ禍で新たな挑戦へと奮い立たせたのはふるさとへの思いでした。

「あしかり豆美人」の藤田卓さん。豆乳やプリン、麺など佐賀県産フクユタカ大豆を100％使った商品を販売しています。【野上キャスター試飲】「甘い。優しい甘さ。大豆だけでこの味すごい。」【藤田卓さん】「濃さと本当に最後の一滴まで手絞りで絞りますので。」

自社の店舗を構えないスタイルながら口コミで広がり、イベントに出店すれば即完売、毎週購入するリピーターもいるということで経営は順調でした。ところが収束が見えない新型コロナウイルスの影響により、イベントの開催が中止となり売り上げが激減。【藤田卓さん】「1カ月くらい豆乳を止めていたんですが、皆さんから『まだね、まだね』という声をいただき・・・」これからの経営について考える中で藤田さんは自身が生まれ育った小城市に豆乳専門店を構えることを決意します。そこで利用したのが、小城市が市内の空き家解消のため取り組んでいる「空き家バンク」制度です。藤田さんが小城にこだわり、何度も足を運び出会ったのが築144年の古民家でした。【藤田卓さん】「実はガラガラとドアを開けたら、タヌキがいてですね、びっくり。ただこういう物件を後世に残していけたらと思って。」

クラウドファンディングえ県内外から100万円ほどを募り、改修費用に充てました。地域の人はもちろん、もっと多くの人に小城市を知ってもらうきっかけを作りたいと話します。【藤田卓さん】「小城の美しい空気と風景、春は小城公園に桜が咲きますし、もうちょっとしたら蛍も飛ぶ。生まれも育ちも小城で、このコロナ禍で元気がない中、少しでも貢献できればと思って小城市に」

町の景観の一つとなっている古民家の再生と、地元の大豆にこだわった商品を届ける。人と人とを結び、小城市をさらに盛り上げようという藤田さんの挑戦はこれからも続きます。

小城市の店は5月9日プレオープン、10日にオープン。コムボックス佐賀駅前の季楽などで販売中。