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鳥栖市の中学校での集団いじめ 二審も賠償命令【佐賀県】

2021/07/12 (月) 18:58

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9年前、鳥栖市で当時中学生だった男性が同級生からいじめを受けて、重度のPTSD、心的外傷後ストレス障害になったとして、いじめた元同級生や市などに損害賠償を求めた控訴審。

福岡高裁はPTSDは認めなかったものの継続的ないじめがあったとして、いじめた元同級生8人にあわせて400万円余りを支払うよう命じました。

「学校は僕が安心して戻れるようにすると何度も言っていたので、僕は信じてずっと待っていました。だけど学校は言うばかりで何もしてくれなかった。何もしてくれなかった学校をもう信じないし、とても怖いけどもう逃げないと決めました」

この裁判は2012年、当時、鳥栖市の中学1年生だった佐藤和威さんが、同級生らからエアガンで撃たれるなど暴力を受けたほか、合わせておよそ100万円を脅し取られるなどのいじめを受けPTSDを発症したとして、いじめた元同級生8人と市などに1億2千700万円余りの損害賠償を求めていたものです。

一審の佐賀地裁はおととし、いじめた元同級生8人にあわせて400万円余りの支払いを命じました。しかし、PTSDの慰謝料を認めたのはいじめた元同級生8人のうち2人だけで、「暴力行為の多くが学校外や夏休み中のものであり、教諭が認識できたとは言えない」などとして、鳥栖市や保護者への請求は退け、その後、この判決を不服として、双方が控訴していました。

12日の判決で福岡高裁は、いじめが原因でPTSDが発症したとは認めなかったものの、「継続的ないじめ行為によって、多大な精神的苦痛を受けた」などと指摘。元同級生8人のうち5人による継続的ないじめ行為があったと認めた上で、いじめた元同級生8人にあわせて400万円余りを支払うよう命じました。

一方、「本人や両親、ほかの生徒からいじめに関する申告を受けていない」などとして、教諭がいじめを認識できたとは認められなかったとして、今回も鳥栖市や保護者への請求は退けました。

判決を聴いた原告の佐藤さんは、落胆を隠しきれない様子で記者会見に臨みました。

【佐藤和威さん22歳】「一審のときの判決と同じように『いじめの被害にあった子は死んだ方がいい』と言われているようなもので、このような判決だと当時の自分を含め、同じような被害にあっている子も救われることはなく、少しだけ判決文を読ませていただいて、生きていても一緒なのかなって、そういう思考に陥りました」

佐藤さんの代理人弁護士は会見の中で、上告を検討する方針を明らかにしました。

また、鳥栖市は「詳細は確認できていないが、これまでの市の主張が認められたものと考えています」とコメントしています。
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