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狩猟用わな作り40年の男性 全国で8000人に講習「人間と動物の共生を」【佐賀県】
2022/05/30 (月) 20:20
様々な分野で頑張っている人を紹介する佐賀人十色。
狩猟用のわなメーカーとして、人間と動物の共生に取り組む男性の話題です。
【和田三生さん】
「これもみんな私が捕った。北海道に1回行くと、何頭捕ったかなというくらい捕ってきた。行くたびに5、6頭捕ってきた」
鳥栖市で鳥獣対策用のわなメーカーを営む和田三生さん76歳。
部屋に飾られた剥製のクマや、イノシシはすべて和田さんが作ったわなで捕まえたものです。
20歳のころに趣味として、狩猟を始めた和田さん。
わなにのめり込んだきっかけは、雑誌に載っていた広告でした。
【和田三生さん】
「狩猟界というそのころに専門雑誌があって、それにイノシシが簡単に捕れるような宣伝があって。それを買い求めて、実際、山に仕掛けてみたんですけど、1頭も捕れなかった」
家族で経営していた工作機械の工場にあった設備を使って、わなを作り始めた和田さん。
趣味が高じて1981年にわなの専門メーカーとしての事業を開始。
わなメーカーのパイオニアとして、全国的に知られる存在となりました。
これまで、箱わなや足をワイヤーでくくる「足くくりわな」を中心に作ってきましたが、最近は課題も出てきました。
【和田三生さん】
「よく話題というか、問題になるのが錯誤捕獲」
錯誤捕獲とは、イノシシなどのわなに誤って別の動物がかかることです。
ツキノワグマを絶滅危惧2類に指定している山口県によると、ツキノワグマの錯誤捕獲数は、2017年に7頭だったのが、年々増えていき、2021年はは35頭となっています。
本来であれば、わなから外し、逃さなければなりませんが、クマの場合は危険を伴うため、多くが殺処分となります。
人の安全とクマの保護の両立が課題となる中、和田さんが作ったのが、特殊な足くくりわなです。
【田中良宜リポーター】
「私の足元には、実際にわなが仕掛けられているんですが、私が歩いても一切反応しません。ですが、私のこぶしほどの大きさの足裏のイノシシが踏むことでわなが反応するようになっています」
このわなは、動物の足の大きさや重さの違いを利用して、クマのような大きな足裏を持つ大型獣には反応しないようになっていて、おとなのイノシシやシカなどを狙って、捕獲することができます。
実際にこのわなを山に仕掛けた映像です。
タヌキや子供のイノシシがわなの上をうろついても反応しません。
しかし、大人のイノシシが通ると、わなが動き、かかりました。
イノシシによる佐賀県内の農業被害は年間に1億3400万円(2020年)。
農作物を食い荒らす動物を確実に捕るためには、正しくわなを扱える人材の育成が必要だとして、和田さんは長年、講習会にも取り組んでいます。
【和田三生さん】
「単に誰がわなをかけても、何回もチャレンジして捕れるかというと、そういう世界じゃない。そのためにはそういった勉強の場を作って、農家の方が安心して生産されるように」
和田さんは40年ほど前から、わなの設置から獲物の回収、食肉化といった活用方法までを全国各地の自治体や猟の初心者などに指導。これまで指導した人は8千人以上にのぼります。
【和田三生さん】
「できるだけ手でやらずに。こういうスコップを使ってやるというのは、わなに、においをつけないために、しなさいということ」
この日は宮城県で鳥獣対策の会社に勤める男性が指導を受けに来ていました。
【宮城県からの受講生 永田陽介さん】
「初心者の狩猟者さんに対して、私自身が捕獲を教えて、鳥獣対策に導いていくことをしている。こういう研修はあるけど、わなを踏ませる技術というのは、なかなか勉強できない」
今回の指導は、4日間。和田さんが付きっきりで指導します。
【宮城県からの受講生 永田陽介さん】
「技術を教えるということは本当に大事なことで、悪さをしている個体はかわいそうですけど、きちんと捕まえて、人間との共生をしっかりしないといけない。捕獲と被害対策はつながってくる」
【和田三生さん】
「共生とか共存という言葉がピタッと合う。そういう世界を築き上げるには正しく取り組んでいる人を多く増やしたいというのが、僕の目標。そういう人たちの成長ぶり、活躍ぶりを見るのが楽しみ」
和田さんは40年以上にわたって、こうしたわなづくりや人材の育成など、全国の鳥獣対策に貢献したとして、去年、農林水産大臣賞を受賞しました。
狩猟用のわなメーカーとして、人間と動物の共生に取り組む男性の話題です。
【和田三生さん】
「これもみんな私が捕った。北海道に1回行くと、何頭捕ったかなというくらい捕ってきた。行くたびに5、6頭捕ってきた」
鳥栖市で鳥獣対策用のわなメーカーを営む和田三生さん76歳。
部屋に飾られた剥製のクマや、イノシシはすべて和田さんが作ったわなで捕まえたものです。
20歳のころに趣味として、狩猟を始めた和田さん。
わなにのめり込んだきっかけは、雑誌に載っていた広告でした。
【和田三生さん】
「狩猟界というそのころに専門雑誌があって、それにイノシシが簡単に捕れるような宣伝があって。それを買い求めて、実際、山に仕掛けてみたんですけど、1頭も捕れなかった」
家族で経営していた工作機械の工場にあった設備を使って、わなを作り始めた和田さん。
趣味が高じて1981年にわなの専門メーカーとしての事業を開始。
わなメーカーのパイオニアとして、全国的に知られる存在となりました。
これまで、箱わなや足をワイヤーでくくる「足くくりわな」を中心に作ってきましたが、最近は課題も出てきました。
【和田三生さん】
「よく話題というか、問題になるのが錯誤捕獲」
錯誤捕獲とは、イノシシなどのわなに誤って別の動物がかかることです。
ツキノワグマを絶滅危惧2類に指定している山口県によると、ツキノワグマの錯誤捕獲数は、2017年に7頭だったのが、年々増えていき、2021年はは35頭となっています。
本来であれば、わなから外し、逃さなければなりませんが、クマの場合は危険を伴うため、多くが殺処分となります。
人の安全とクマの保護の両立が課題となる中、和田さんが作ったのが、特殊な足くくりわなです。
【田中良宜リポーター】
「私の足元には、実際にわなが仕掛けられているんですが、私が歩いても一切反応しません。ですが、私のこぶしほどの大きさの足裏のイノシシが踏むことでわなが反応するようになっています」
このわなは、動物の足の大きさや重さの違いを利用して、クマのような大きな足裏を持つ大型獣には反応しないようになっていて、おとなのイノシシやシカなどを狙って、捕獲することができます。
実際にこのわなを山に仕掛けた映像です。
タヌキや子供のイノシシがわなの上をうろついても反応しません。
しかし、大人のイノシシが通ると、わなが動き、かかりました。
イノシシによる佐賀県内の農業被害は年間に1億3400万円(2020年)。
農作物を食い荒らす動物を確実に捕るためには、正しくわなを扱える人材の育成が必要だとして、和田さんは長年、講習会にも取り組んでいます。
【和田三生さん】
「単に誰がわなをかけても、何回もチャレンジして捕れるかというと、そういう世界じゃない。そのためにはそういった勉強の場を作って、農家の方が安心して生産されるように」
和田さんは40年ほど前から、わなの設置から獲物の回収、食肉化といった活用方法までを全国各地の自治体や猟の初心者などに指導。これまで指導した人は8千人以上にのぼります。
【和田三生さん】
「できるだけ手でやらずに。こういうスコップを使ってやるというのは、わなに、においをつけないために、しなさいということ」
この日は宮城県で鳥獣対策の会社に勤める男性が指導を受けに来ていました。
【宮城県からの受講生 永田陽介さん】
「初心者の狩猟者さんに対して、私自身が捕獲を教えて、鳥獣対策に導いていくことをしている。こういう研修はあるけど、わなを踏ませる技術というのは、なかなか勉強できない」
今回の指導は、4日間。和田さんが付きっきりで指導します。
【宮城県からの受講生 永田陽介さん】
「技術を教えるということは本当に大事なことで、悪さをしている個体はかわいそうですけど、きちんと捕まえて、人間との共生をしっかりしないといけない。捕獲と被害対策はつながってくる」
【和田三生さん】
「共生とか共存という言葉がピタッと合う。そういう世界を築き上げるには正しく取り組んでいる人を多く増やしたいというのが、僕の目標。そういう人たちの成長ぶり、活躍ぶりを見るのが楽しみ」
和田さんは40年以上にわたって、こうしたわなづくりや人材の育成など、全国の鳥獣対策に貢献したとして、去年、農林水産大臣賞を受賞しました。
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