2023/05/15 (月) 18:40

14日、悲願のB1昇格を決めプロバスケットボールB2リーグの佐賀バルーナーズ。発足から5年、“地域に愛されるクラブ”を目指したこれまでの歩みを振り返ります。

5年前、2018年の2月、バルーナーズの歴史はここから始まりました。

【中西佑介選手】
「(バスケを)何不自由なくさせてくれた親にバスケで恩返ししたいというのもあって、どうしてもプロを仕事にしていきたいという気持ちが強くて」

選手を集めるためのトライアウト。現在も在籍する井上、中西はこのトライアウトで入団した選手です。
こうして佐賀県初のプロバスケチーム「佐賀バルーナーズ」が発足しました。

【井上諒汰選手】
「B1の舞台で活躍して、佐賀バルーナーズと一緒に佐賀や日本のバスケットボール界を盛り上げる存在になりたい」

地域リーグを経て、2年目からいよいよBリーグへ。まずはB3からの挑戦です。
すぐにB2への昇格を決めますが、当時はホームで試合をしても観客は数百人程度でした。

オフシーズンには小学校であいさつ運動をしたり、山の中のごみを撤去するボランティアに参加したり、川で子供たちと夏休みの思い出を作ったり。“地域に愛されるクラブ”を目指しました。

【井上諒汰選手】
「もっと子供たちにも佐賀のことを好きになってもらって、そのきっかけが佐賀バルーナーズであったり、自分の地元って良いところだなということにもっと気づいてもらえるように活動していければ」

こうして着実に地域へ根付いていったバルーナーズ。ファンの数も少しずつ増えていきました。

そして、B2初参戦から2年連続でプレーオフに進出します。ただ、結果はいずれもアウェーで初戦敗退。B1への道のりは簡単ではありませんでした。

今シーズンの必勝祈願。

【山下泰弘主将】
「今年昇格するんだという気持ちで臨みます」

そして今シーズン、中盤に15連勝を飾るなどチームは大きく進化。
初めての地区優勝を成し遂げ、プレーオフのホーム開催も勝ち取りました。

【宮永雄太HC】
「もう、昇格のために全力を尽くしていきたい」

プレーオフの舞台は新たに誕生したSAGAアリーナ。準々決勝で福島を下し、準決勝の相手は西宮。第1戦に勝利して迎えた14日、勝てば昇格が決まる大一番です。
しかし、第3クォーターには最大10点のリードを許す展開に。

【実況】
「さあバルーナーズの攻撃、1本防いでマッキントッシュだ!マッキントッシュ!決めました!」

ここで直前にケガから復帰したマッキントッシュが奮起し、なんとか食らいついて勝負の第4クォーター。

【実況】
「ガルシア、キックアウト、西川のコーナースリー!決めたーー!西川きょう初めてのスリーポイント!バルーナーズ逆転!」

そしてついに、歓喜の瞬間が…

【実況】
「残りは18秒、点差は7点、ハミルトンがくる!ハミルトンがくる!ブロックショット!見事なブロックショット!そして佐賀のポゼッションだ!B1は近い!もうここまで来た!10秒切った!ガルシアのボール保持!そして岸田、角田から西川!76対69!佐賀バルーナーズ、B1昇格!夢の舞台を、憧れの景色を、佐賀のブースターとともにつかみとりました!」

悲願のB1昇格を信じ、詰めかけた観客は5760人。これまでのB2クラブ最多入場者数を塗り替える人数でした。

【男性ファン】
「最後逆転して、監督の涙、ヘッドコーチの涙を見て、この試合にかける思いというか、すごく伝わってきて、本当に最後もらい泣きしそうになりました」

【宮永雄太HC】
「信じてついてきてくれた皆さん、本当に昇格おめでとうございます」

クラブ発足5年目、ついに掴んだ最高峰B1への切符。今週末には優勝をかけた長崎とのプレーオフ決勝戦に臨みます。