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「何の迷いもない」店を続ける武雄市北方町の食堂【佐賀県】

2021/10/12 (火) 18:45

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県内に大雨特別警報が発表されてから14日で2カ月です。
2年前の佐賀豪雨に続き、2度目の水害に遭いながらも同じ場所で店を続けると決めた武雄市の老舗食堂の思いとは。

かみや 小路丸貴之さん:「2年前の再来。全く同じ状況で」
武雄市北方町の食堂「かみや」。
甘辛いタレが特徴のカツ丼を名物に親子3代で営んできましたが、今年8月、2年前の佐賀豪雨に続き、再び店を水が襲いました。
小路丸貴之さん:「去年も大雨洪水警報が出たりしたけど、結局その時も助かったから。まだ大丈夫だと思っていたら、家の前が膝くらいまで。もう家の前を見た時点で店の状況がわかるからどうせダメだなって思った」
8月14日、県内に大雨特別警報が発表。店の近くに住む小路丸さんの家も床上まで浸水し、店の様子を見に行くことができたのは水が多少引いた翌日でした。

小路丸貴之さん:「店内はフライヤーの油でヌルヌル。あとテーブルの上に乗せてたものも、ひっくり返って散乱して」
今回、水は顔の高さほどまで押し寄せました。店では2年前に買い直した冷蔵庫6台や器など、店内にあったほとんどのものが水に浸かり、再び買い直すといいます。
小路丸貴之さん:「ここら辺でも150万円とか、軽自動車並み。やっぱり2000万円以上じゃないかな」

もうすぐ大雨から2カ月。使えなくなったものを外に出し、店の中の片付けは進みましたが、水害の爪痕は残ったままです。
小路丸貴之さん:「2カ月近く窓開けて、扇風機回して乾かしてたにもかかわらずこういうことだから。備品とかの見積もりは先に出てるけど、これに関しては今から」
濡れた壁板を張り替えるにも、木材が高騰したり、依頼する業者がなかなか見つからなかったり、不安は多いといいます。未だに終りが見えない復旧作業の中、また水害に遭うかもしれないと考えながらも、小路丸さんはこの場所で店を続けることを決めました。

小路丸貴之さん:「(他の店の)引っ越しの話が出たりとか、高くしたりとかいう話が耳に入ってきたけど、ずっとここで育ってきたから。何回きてもここでしようとは思っている。(過去Vの片付けの様子)育ったこの場所で店を続けてきたからこそ、水害を通して、地元での人と人のつながりの深さを感じたと言います。」
小路丸貴之さん:「人の温かみがさらにわかる。浸かったときも色んな人から電話がかかってきたり、片付けるときも何も言わずに来て、手伝ってくれて。そこに感謝できる機会を与えてくれた災害」

小路丸さんは来月中の再開を目標に再建に取り組みます。
小路丸貴之さん:「大変といえば大変。3カ月間、店を休んで日銭が入ってこないわけだから。(水が)次きたら片付けて営業するそれが自分の気持ち。そこは何も迷いもないと思う」
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