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「10年間で半減…」佐賀の"県鳥"『カチガラス』が減少傾向 真相はいかに【佐賀県】
2022/11/17 (木) 18:18

【アナウンサー】
みなさんは最近、カチガラスを見ましたか?
400年前、朝鮮出兵の際に鍋島の殿様が持ち帰ったとされ、佐賀県の鳥「県鳥」に指定されています。小柄でカチカチと鳴くかわいい鳥ですが、このところ県民の間から「数が減ったのでは」との声が相次いでいます。真相はどうなのでしょうか。解説主幹の宮原さんです。
【宮原拓也】
基本的なおさらいをしましょう。カチガラスはよく「県の天然記念物」と間違われますが、違います。「天然記念物」は鳥そのものではなく、主な生息域である県内16の市や町である自治体が「天然記念物」として指定されているんです。ですから、カチガラスは保護される鳥、保護鳥という位置づけですね。次のモニターは九州電力が、役目を終えたカチガラスの巣を毎年落とすのですが、その数の推移です。確かに、このグラフを見ると、この10年で半減していて、視聴者の懸念もうなずけます。日本野鳥の会佐賀県支部の宮原明幸支部長は、こうしたデータをもとにこんな予言をしています。
【宮原拓也】
カチガラスが減っているという実感、データはありますか?
【宮原明幸】
カチガラスが減ったという実感はあります。私たちは月に何回か探鳥会をやるが、私が始めた30年くらい前は、かちがらすは必ずいました。今は見ない日が多いそれくらい減っている。佐賀県の文化財課が、毎年九電が営巣が終わった後にカチガラスの巣の数を管理している。10年前と今年はちょうど半分。単純に考えてかちがらすの数は半分に減っているのかな、と推測します。
【宮原拓也】
なぜ、減るんですか
【宮原明幸】
やはり環境の劣化でしょう。それと人のせいだが、カラスが増えている県庁のお堀とかはカラスだらけ。昔はあんなにいなかったカラスとカチガラスは、えさがほとんど一緒。その競合の中で負けてしまって、カチガラスは数を減らす、カラスは増やす。自然の中のことだが、カラスが増えたのは人の影響。今言えるのは間違いなくカチガラスは減っているし、あと何年か分からないがいなくなる。
【宮原拓也】
予測としてはどれくらいで絶滅しますか
【宮原明幸】
私の知識をかき集めた試算では、20年したら1羽もいません。カチガラスは年のうちに巣は一つではない。二つ三つかけて途中で失敗して放棄したり、その数が九電が落とした巣の中にカウントされていれば、2羽が一つがいであれば、今の数の半分そう考えると20年が10年繰り上がる。10年後にはいなくなる。
【アナウンサー】
カチガラス危うしですね。県など行政はどう対応しているんですか?
【宮原】
県は10年ほど前、カチガラスの営巣調査をしています。その結果は、佐賀市や神埼市などで生息密度が下がっているが、周辺部などでは依然高密度の営巣をやっている、というものでした。ただ、懸念の声を受けて、あらためて今後、営巣調査などをやる予定です。
【宮原拓也】
さて、対策はどんなことが考えられますか?
【宮原明幸】
正直言って、野鳥の会がどれだけ頑張ってもかちがらすは守り切れない。これはみんなで意識して動いていかないと。やはり行政が動かないことには、カチガラスは救えない。私が提案したのはカチガラスの個体数の多いところを特区にしてくれと。
【宮原拓也】
特区を設けて具体的には何をする?
【宮原明幸】
難しいことではない。今、個体数の多いところの農家に県が助成金を出すとかして、農薬を使わない、除草剤を使わない。それと私たち野鳥の会が言うのもなんだが、バランスを崩してしまったカラスを駆除する。そして営巣する電柱がだめなら人工的に巣塔を立てる。少しずつでも右肩上がりにしていって特区を何カ所か設けて、そこからまた広げていくそれしかないでしょう。それが成功するかどうか分からないがやはり佐賀の鳥ですから何かアクションを起こさないと。
【アナウンサー】
サガテレビのカチカチプレスというタイトルも、カチガラスから取ったもので、2000年に始まって今年で22年。サガテレビにとっても他人事ではありません。
【宮原】
そうですね。私が少年時代を過ごした白石町ではかつて、カラスと言えばカチガラスしかいませんでした。普通のカラスと違って群れないところが好きでした。野鳥の会の宮原さんによると、カチガラスはカラスなどの天敵から攻撃されると、周辺から集まって、集団で防衛行動を取るんだそうです。言ってみれば、孤高で男気のある鳥ですね。カチガラスの危機をどうするか、まずは県の具体的な調査で個体数の変化を見る必要があるでしょうが、身近な鳥の生息状況について、県民みんなで意識を高める必要がありそうです。
【アナウンサー】
今日は解説主幹の宮原さんとともに、お伝えしました。
みなさんは最近、カチガラスを見ましたか?
400年前、朝鮮出兵の際に鍋島の殿様が持ち帰ったとされ、佐賀県の鳥「県鳥」に指定されています。小柄でカチカチと鳴くかわいい鳥ですが、このところ県民の間から「数が減ったのでは」との声が相次いでいます。真相はどうなのでしょうか。解説主幹の宮原さんです。
【宮原拓也】
基本的なおさらいをしましょう。カチガラスはよく「県の天然記念物」と間違われますが、違います。「天然記念物」は鳥そのものではなく、主な生息域である県内16の市や町である自治体が「天然記念物」として指定されているんです。ですから、カチガラスは保護される鳥、保護鳥という位置づけですね。次のモニターは九州電力が、役目を終えたカチガラスの巣を毎年落とすのですが、その数の推移です。確かに、このグラフを見ると、この10年で半減していて、視聴者の懸念もうなずけます。日本野鳥の会佐賀県支部の宮原明幸支部長は、こうしたデータをもとにこんな予言をしています。
【宮原拓也】
カチガラスが減っているという実感、データはありますか?
【宮原明幸】
カチガラスが減ったという実感はあります。私たちは月に何回か探鳥会をやるが、私が始めた30年くらい前は、かちがらすは必ずいました。今は見ない日が多いそれくらい減っている。佐賀県の文化財課が、毎年九電が営巣が終わった後にカチガラスの巣の数を管理している。10年前と今年はちょうど半分。単純に考えてかちがらすの数は半分に減っているのかな、と推測します。
【宮原拓也】
なぜ、減るんですか
【宮原明幸】
やはり環境の劣化でしょう。それと人のせいだが、カラスが増えている県庁のお堀とかはカラスだらけ。昔はあんなにいなかったカラスとカチガラスは、えさがほとんど一緒。その競合の中で負けてしまって、カチガラスは数を減らす、カラスは増やす。自然の中のことだが、カラスが増えたのは人の影響。今言えるのは間違いなくカチガラスは減っているし、あと何年か分からないがいなくなる。
【宮原拓也】
予測としてはどれくらいで絶滅しますか
【宮原明幸】
私の知識をかき集めた試算では、20年したら1羽もいません。カチガラスは年のうちに巣は一つではない。二つ三つかけて途中で失敗して放棄したり、その数が九電が落とした巣の中にカウントされていれば、2羽が一つがいであれば、今の数の半分そう考えると20年が10年繰り上がる。10年後にはいなくなる。
【アナウンサー】
カチガラス危うしですね。県など行政はどう対応しているんですか?
【宮原】
県は10年ほど前、カチガラスの営巣調査をしています。その結果は、佐賀市や神埼市などで生息密度が下がっているが、周辺部などでは依然高密度の営巣をやっている、というものでした。ただ、懸念の声を受けて、あらためて今後、営巣調査などをやる予定です。
【宮原拓也】
さて、対策はどんなことが考えられますか?
【宮原明幸】
正直言って、野鳥の会がどれだけ頑張ってもかちがらすは守り切れない。これはみんなで意識して動いていかないと。やはり行政が動かないことには、カチガラスは救えない。私が提案したのはカチガラスの個体数の多いところを特区にしてくれと。
【宮原拓也】
特区を設けて具体的には何をする?
【宮原明幸】
難しいことではない。今、個体数の多いところの農家に県が助成金を出すとかして、農薬を使わない、除草剤を使わない。それと私たち野鳥の会が言うのもなんだが、バランスを崩してしまったカラスを駆除する。そして営巣する電柱がだめなら人工的に巣塔を立てる。少しずつでも右肩上がりにしていって特区を何カ所か設けて、そこからまた広げていくそれしかないでしょう。それが成功するかどうか分からないがやはり佐賀の鳥ですから何かアクションを起こさないと。
【アナウンサー】
サガテレビのカチカチプレスというタイトルも、カチガラスから取ったもので、2000年に始まって今年で22年。サガテレビにとっても他人事ではありません。
【宮原】
そうですね。私が少年時代を過ごした白石町ではかつて、カラスと言えばカチガラスしかいませんでした。普通のカラスと違って群れないところが好きでした。野鳥の会の宮原さんによると、カチガラスはカラスなどの天敵から攻撃されると、周辺から集まって、集団で防衛行動を取るんだそうです。言ってみれば、孤高で男気のある鳥ですね。カチガラスの危機をどうするか、まずは県の具体的な調査で個体数の変化を見る必要があるでしょうが、身近な鳥の生息状況について、県民みんなで意識を高める必要がありそうです。
【アナウンサー】
今日は解説主幹の宮原さんとともに、お伝えしました。
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