佐賀のニュース
4年に一度の「統一地方選」いま異変が起きている?地方選挙の在り方は?【佐賀県】
2023/04/24 (月) 18:40

4年に一度の統一地方選挙が終わりました。9日の県議選に続いて、23日は多久市など5つの議員選がありました。この統一地方選挙は、選挙事務を効率的に行ったり、投票率を高めるため、投票日を揃えて行うものですが、今、異変が起きています。
今回の「ニュースここ掘れ」は、地方選挙の在り方などについて考えます。解説主幹の宮原さんです。
【宮原解説主幹】
統一地方選とは言っても統一と呼べないのが現状。県内では、かつて122あった自治体が、昭和、平成の大合併を経て、今は20です。また合併や辞職などで選挙の時期がずれるなどして、今では、統一地方選で行われる選挙は、全国で3割程度。県内では2割を切りました。さらに全国各地で指摘されている、無投票選挙の増加です。
9日にあった県議選は13選挙区のうち7つが無投票でした。なり手不足もありますが、1人区、2人区という少人数の選挙区の場合、現職に挑むハードルがより高くなります。定数2の神埼市・吉野ケ里町選挙区に立候補して、落選した嘉村洋一さんに話を聞きました。
【宮原解説主幹】
「いわゆる少人数区、1人区、2人区の場合、現職がガチッと固まっていると新人が出るハードルが高い。実際、どうでしたか」
【嘉村洋一さん】
「戦ってみて実際感じた。たくさん応援してもらい、直接話を聞く、みなさんとコミュニケーション図るなかで、思った以上に結果が厳しかった。もう少し(感触は)よかったが、それが意外と票につながってなかったと思った」
【宮原解説主幹】
「そのへんが現職の壁なんですかね。自分では(支持が)広がってるなと」
【嘉村洋一さん】
「そうですね。そういう感覚はありました」
【宮原解説主幹】
「地域的な問題はどうですか」
【嘉村洋一さん】
「それも大きいと思う。現職が神埼市と(旧)千代田町。吉野ヶ里町の倍(の人口)がある。このエリア的な問題も大きい。そこには私の知名度が薄いということもあり。私がしっかりと伝えていければよかったが、どれくらい伝わっているかよく分からない。あと、自分のビジョンはしっかり持っていたつもりだが、それを分かっていただくには時間も足りなかった」
【宮原解説主幹】
「今回、1人区は選挙なし。2人区は選挙があった。(選挙区の)体制についてはどう考える」
【嘉村洋一さん】
「新人が出ていくには厳しい条件。しかも無所属であれば厳しいのは間違いない。個人が政治に関わろうとした場合、どこかの政治団体に入らないといけないとか、一回は(市議会などの)議員になってから次のステップだよ、という段階を踏まなくてはいけないというのはどうかな、と思う」
【キャスター】
確かに西松浦郡選挙区では今回、4回連続で無投票でした。16年間選挙がないことになります。何か対策はあるんでしょうか。
【宮原解説主幹】
1つの案としては合区があります。無投票になりやすい少人数区を合区して、定数を増やすというものです。無投票の選挙区をいかに失くすか。一日も早く手を打たないと、4年後も同じことが繰り返される恐れがあります。
【キャスター】
一方で日本の議会の課題とされる女性議員については、少しふえたようですね。
【宮原解説主幹】
今回、県議会の女性議員が56年ぶりに3人になりました。定数2の武雄市選挙区で立候補し、わずか69票差で初当選した猪村利恵子さんです。
【宮原解説主幹】
「選挙戦で現職の壁、どういう風に感じたか」
【猪村利恵子氏】
「もう挑むだけでした。選挙は勝たないといけないとは思うが、何も考えずに挑ませていただいた「あぁ、猪村でも出とるばい」と。後に続く女性の呼び水にと考えところもある」
【宮原解説主幹】
「有権者の新人候補への反応は」
【猪村利恵子氏】
「女性の声を届けてほしい。決定権のある場に、もっと女性がおらんばいかん。なかなか大変ばってん、頑張って。という声もたくさんあった」
【宮原解説主幹】
「武雄だけじゃなくて、佐賀の場合無風区が多い。他県もそうだが。それについては意見ありますか」
【猪村利恵子氏】
「少しずつ、議会改革をやっていく必要があるんじゃないか、時代に合わせて。例えば休日議会だったり、夜間の議会や、通年議会を開くとか。時代に合わせた議会の在り方。合区もそうだが、私は(議員の)報酬を下げてでも人員を増やして、もっと県政に地元から声を届ける人がいればいいな、と思っている」
【宮原解説主幹】
このグラフを見てください。実は、昨日の選挙結果には、大きな希望が見えました。市町の女性議員の数が10年前の22人から一気に48人に倍増なんです。選挙のなかった基山町を含め、伊万里市、江北町ではいずれも3人ずつ増えました。議員のなり手不足が言われて久しいのですが、実は私も含めて男性のなり手ばかりを探していたのかもしれません。市町の課題というのは、特に生活に身近なテーマが多く、生活感覚に優れている女性の方が、実は議員に向いているケースが多い。ただ、女性の地方議会進出はまだまだ途上です。猪村さんが言われるように、女性や若い世代が参加しやすい議会の在り方について、各市町それぞれが工夫して、さらに議論を重ねる必要があると思います。
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