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鳥栖両親殺人事件9月1日に初公判 佐賀県初の“特定少年”の裁判 真相解明なるか【佐賀県】
2023/08/31 (木) 18:13

今年3月、鳥栖市で、19歳の元大学生が両親を殺害した事件から約半年。成人と同じ量刑が言い渡される可能性もある特定少年の裁判が9月1日から県内で初めて開かれます。
今年3月9日、鳥栖市の住宅街で、50代の父親と40代の母親が19歳の元大学生の長男に殺害されました。
当時、大学に通うため福岡県内で1人暮らしをしていた長男。
犯行は約1時間という短時間の犯行だったとみられています。
その後、長男は佐賀を離れ、鳥栖市から約170キロ離れた山口県長門市のコンビニエンスストアで逮捕されました。
20歳未満の犯行だったため、検察は長男を少年事件の手続きにのっとり佐賀家庭裁判所に送致。
一方、佐賀家庭裁判所は「犯行の態様及び結果に加え、犯行時19歳であることなどを考慮すると、保護処分など刑事処分以外の措置を選択することは相当ではない」として、検察に逆送し検察が起訴。特定少年として成人と同じ手続きで裁判員裁判を受けることになりました。
【キャスター】
ここからは取材にあたった、原竹アナウンサーです。未成年者が成人と同じ手続きで裁判を受けることはこれまでもありましたが特定少年の裁判の特徴は?
【原竹凌太朗アナウンサー】
「実名報道ができるようになったことがクローズアップされがちですが、一番の特徴は実刑となった場合の量刑にあると思います。
これまでは未成年の場合、最長で15年の不定期刑が言い渡される可能性があったのに対し、18歳、19歳の特定少年は成人とおなじく最長で30年の定期刑が言い渡される可能性があります。少年という名前は残りつつ、責任は成人と同じとなっています。少年犯罪に詳しい、下津浦公弁護士に特定少年の是非について聞きました。」
【下津浦公弁護士】
「賛成される方の分かりやすい例は被害者側の方々ということになります。こんなに酷い結果になったのに少年法で守られているというのはどういうことですかと。そういう強い批判が、それは昔からあったことです。」
一方、下津浦弁護士は本来の少年法の趣旨も指摘します。
「18歳19歳ってこれからまだどんどん変わっていく可能性もあるというところで、よくその子の事を分析してその子の矯正、更生に。保護処分というんですけど、矯正教育という者をした方がその子の先々長い人生の上では犯罪から遠ざかっていって頂けるんじゃないかなっていうふうに」
【キャスター】
凶悪犯罪を犯した少年は厳しく罰するべきだという声、まだ若いから今後の更生に期待するという声いずれもあると思いますが、今回の裁判はどのような点で争われるのでしょうか?
【原竹凌太朗アナウンサー】
争点のひとつが量刑です。
検察は身内とはいえ2人を殺害したという結果の重大性から、それに見合った刑、比較的長期の懲役刑を求めることが予想されます。
一方、弁護側は、もう一度家庭裁判所に移し、成人扱いせず保護処分を求める方針で、量刑が大きく異なってきます。
そして、二つ目の争点が母親への殺意の有無です。
捜査関係者への取材から、被告の長男は父親と学業面で確執があり、それが動機に繋がったとされています。母親への殺意の有無も量刑にも影響します。
【キャスター】
特定少年の裁判は県内では初めてですが、他にも通常の裁判ではない点もありますね。
【原竹凌太朗アナウンサー】
検察は起訴段階で被告の名前を公表したものの、裁判所は弁護側の申し立てを受け、残された家族を保護する目的で裁判では非公表としました。
【キャスター】
少年としての更生か成人と同じように罪をつぐなわせるのか、特定少年めぐってはいろいろな課題や問題がありますが、裁判では市民から選ばれた裁判員が難しい判断を迫られることになりますね。
【原竹凌太朗アナウンサー】
特定少年の話が注目されがちですが、県内有数の進学校を出て有名大学に合格したのちに、19歳とはいえ複数の刃物を持ち、短時間に両親を殺害したとみられる今回の事件。検察、弁護側双方が法廷で真相をどこまで明らかにできるのかが、同じような事件を起こさせないようにする鍵となります。
【キャスター】
裁判は9月1日の初公判のあと、月曜日には被告人質問などがあり、9月15日に判決が言い渡されることになっています。
ここまで事件発生当時から取材にあたった原竹アナウンサーでした。
今年3月9日、鳥栖市の住宅街で、50代の父親と40代の母親が19歳の元大学生の長男に殺害されました。
当時、大学に通うため福岡県内で1人暮らしをしていた長男。
犯行は約1時間という短時間の犯行だったとみられています。
その後、長男は佐賀を離れ、鳥栖市から約170キロ離れた山口県長門市のコンビニエンスストアで逮捕されました。
20歳未満の犯行だったため、検察は長男を少年事件の手続きにのっとり佐賀家庭裁判所に送致。
一方、佐賀家庭裁判所は「犯行の態様及び結果に加え、犯行時19歳であることなどを考慮すると、保護処分など刑事処分以外の措置を選択することは相当ではない」として、検察に逆送し検察が起訴。特定少年として成人と同じ手続きで裁判員裁判を受けることになりました。
【キャスター】
ここからは取材にあたった、原竹アナウンサーです。未成年者が成人と同じ手続きで裁判を受けることはこれまでもありましたが特定少年の裁判の特徴は?
【原竹凌太朗アナウンサー】
「実名報道ができるようになったことがクローズアップされがちですが、一番の特徴は実刑となった場合の量刑にあると思います。
これまでは未成年の場合、最長で15年の不定期刑が言い渡される可能性があったのに対し、18歳、19歳の特定少年は成人とおなじく最長で30年の定期刑が言い渡される可能性があります。少年という名前は残りつつ、責任は成人と同じとなっています。少年犯罪に詳しい、下津浦公弁護士に特定少年の是非について聞きました。」
【下津浦公弁護士】
「賛成される方の分かりやすい例は被害者側の方々ということになります。こんなに酷い結果になったのに少年法で守られているというのはどういうことですかと。そういう強い批判が、それは昔からあったことです。」
一方、下津浦弁護士は本来の少年法の趣旨も指摘します。
「18歳19歳ってこれからまだどんどん変わっていく可能性もあるというところで、よくその子の事を分析してその子の矯正、更生に。保護処分というんですけど、矯正教育という者をした方がその子の先々長い人生の上では犯罪から遠ざかっていって頂けるんじゃないかなっていうふうに」
【キャスター】
凶悪犯罪を犯した少年は厳しく罰するべきだという声、まだ若いから今後の更生に期待するという声いずれもあると思いますが、今回の裁判はどのような点で争われるのでしょうか?
【原竹凌太朗アナウンサー】
争点のひとつが量刑です。
検察は身内とはいえ2人を殺害したという結果の重大性から、それに見合った刑、比較的長期の懲役刑を求めることが予想されます。
一方、弁護側は、もう一度家庭裁判所に移し、成人扱いせず保護処分を求める方針で、量刑が大きく異なってきます。
そして、二つ目の争点が母親への殺意の有無です。
捜査関係者への取材から、被告の長男は父親と学業面で確執があり、それが動機に繋がったとされています。母親への殺意の有無も量刑にも影響します。
【キャスター】
特定少年の裁判は県内では初めてですが、他にも通常の裁判ではない点もありますね。
【原竹凌太朗アナウンサー】
検察は起訴段階で被告の名前を公表したものの、裁判所は弁護側の申し立てを受け、残された家族を保護する目的で裁判では非公表としました。
【キャスター】
少年としての更生か成人と同じように罪をつぐなわせるのか、特定少年めぐってはいろいろな課題や問題がありますが、裁判では市民から選ばれた裁判員が難しい判断を迫られることになりますね。
【原竹凌太朗アナウンサー】
特定少年の話が注目されがちですが、県内有数の進学校を出て有名大学に合格したのちに、19歳とはいえ複数の刃物を持ち、短時間に両親を殺害したとみられる今回の事件。検察、弁護側双方が法廷で真相をどこまで明らかにできるのかが、同じような事件を起こさせないようにする鍵となります。
【キャスター】
裁判は9月1日の初公判のあと、月曜日には被告人質問などがあり、9月15日に判決が言い渡されることになっています。
ここまで事件発生当時から取材にあたった原竹アナウンサーでした。
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