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「防災」テーマで新たな地域のつながり“自主防災組織”に取り組む女性たち【佐賀県神埼市】

2025/11/19 (水) 18:10

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公的な支援だけに頼らず、住民自らで防災活動に取り組む「自主防災組織」。県内だけでも1700以上の組織がありますが、そのうち、神埼市のある地区では住民の女性たちが新たな避難所の設置や住民参加型の訓練に取り組んでいます。

【大分大学減災・復興デザイン教育研究センター 板井幸則客員教授】
「避難所に行く時にはお客ではないんだ、みんなが主体的に何かできることがあるはずだっていうことを必ず覚えててください」

11月9日、災害時の避難所の運営を学ぶ防災訓練が神埼市で行われました。主催は県と市ですが、訓練の企画をしたのは地区の女性たちです。

【神埼市協和町 福田田鶴子公民館長】
「不安っていうか危機感を感じたんですね、誰かがやらないといけないっていう風に思った」

訓練には神埼市の中心部にある協和町の住民55人が参加。
地区の世帯の6割以上という参加率の高さです。実際に避難所までのルートを確認しながら歩いて移動します。
着いた先は…地区にある住宅メーカーの展示施設。学校でも公民館でもありません。

【プレースホーム山崎政和取締役】
「ここは普段はお客様とお家づくりの色んな体験をしてもらう施設、きょうは一緒に勉強させていただいてました」

普段は家を建てたい人たちが工法などを見て新居のイメージを膨らませる場所ですが、この日は災害時にここに集まる住民をイメージしながら、話し合います。

【避難所運営の話し合い】
「歩きはできるのかな?」「いやほとんど寝たきり」「寝たきり…」

【40代男性】
「市の方、県の方っていうのが進んでやって、それに対して従うって考えだったんですけど、当事者意識を持ったうえで参加していかないといけないと感じた」
【80代女性】
「まだ歩けるし、人のお世話になるより自分も率先して迷惑かけないように避難しようかって気持ちは持ってます」

企画をした1人で、公民館長をつとめる福田田鶴子さん。
以前から公民館を避難所とすることに不安を感じていました。

【神埼市協和町 福田田鶴子公民館長】
「公民館の周辺の通行も困難になったところがあったんですね、最近では短期の雨でも水があふれる状況になっています」

公民館は周りより土地が低く、浸水リスクの高いエリアにあり、避難をためらう人も多かったそうです。
福田さんは区長の江崎則子さんに相談。
すると江崎さんも同じ思いを抱いていたことがわかりました。

【神埼市協和町 江崎則子区長】
「ブロック塀2つほど膝からちょっと下ぐらいまで水が来て、川と道の境目が分からなくなって、そういうときはどういう風に動いたらいいのか?っていうのを市役所にご相談に行った」

福田さんと江崎さんは神埼市とともに比較的浸水リスクが低いエリアに施設がある住宅メーカーに協力を依頼。
災害時に展示施設を開放することや訓練に参加することが決まりました。

【神埼市協和町 江崎則子区長】
「ちょっとお伺いしたらもうウェルカム、もう感謝しかないです」

【プレースホーム山崎政和取締役】
「地域の方にいつもお世話になっているので、私たちも少しでも恩返しができたらという思いでここをお貸しした」

【神埼市協和町 江崎則子区長】
「イベントなどどうしても集まりは悪いんですよ、こういうこと(防災)の方が身にもなるし、皆さんとの顔見知りで子供さんも連れて見えるし、いいかなって」
【80代女性】
「しょっちゅうお会いするわけじゃないから知らない方もいらっしゃるよ、でも協和町っていうことだからね、おしゃべりして楽しかった」

一緒に訓練に臨んだ防災が専門の大学教授は

【大分大学減災・復興デザイン教育研究センター 板井幸則客員教授】
「災害が発生すると女性の視点が非常に必要になるんですけど、これだけ多くの女性が参加してるっていうのは他ではない」

「防災」というテーマで新たにできた地域のつながり。
公民館は今後も地域交流の場として活用していくということです。

【神埼市協和町 江崎則子区長】
「移り住んできた人はあまり知らない人が多かったと思うんで、ここで話して、例えば子供と一緒に食事会をしましょうか、でもいいのでそういうので公民館使ってもらって広がっていけばいいなって」

今回取材した協和町は神埼市の自主防災組織のモデル地区に選ばれていて、市は協和町のように何か災害に関する不安があれば相談に来てほしいと呼びかけています。
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