2020/12/08 (火) 18:20

不正の発覚を恐れたうえでの犯行でした。事務局長を務めていた医師会の倉庫に侵入し、書類や倉庫の壁などを燃やしたとして、非現住建造物等放火などの罪に問われている58歳の男の初公判が開かれ、男は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

起訴されているのは、鹿島藤津地区医師会の元事務局長で鹿島市古枝甲の野中仁被告58歳です。
野中被告は、今年10月、事務局長を務めていた鹿島藤津地区医師会の倉庫に侵入し、灯油を入れた箱に火をつけ書類や倉庫の壁などを燃やしたとして、非現住建造物等放火などの罪に問われています。
8日佐賀地方裁判所で開かれた初公判で、野中被告は「間違いありません」などと起訴内容を認めました。冒頭陳述などによりますと、野中被告は事件前の8月、勤務先での時間外手当の不正請求が発覚し、懲戒解雇を通知されていたということです。そのうえで検察は、「懲戒解雇されることで医師会の金を横領していた書類が発覚することを恐れ犯行に及んだ」と指摘しました。

一方、被告人質問で野中被告は「横領の発覚を恐れ、（犯行に）流されてしまった。妻のみやげ屋の運転資金などに使った」などと犯行動機を述べていました。
裁判は即日結審し、検察側は懲役3年を求刑しました。判決は2021年1月12日に言い渡されます。