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過酷な状況でも的確な救助を!佐賀初の消防車両「拠点機能形成車」その機能は?【佐賀県】

2022/11/22 (火) 18:45

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毎週火曜日は災害関連の企画をお伝えしています。
武雄市や大町町などは記録的な豪雨で大きな被害を受けました。この地域を管轄する杵藤地区消防本部に、今年佐賀初の車両が登場。その目的の一つは、隊員のやる気アップです。

武雄市や嬉野市など約15万人が住む3市4町を管轄する杵藤地区消防本部。

【長島リポーター】
「今年3月、杵藤地区消防本部に配備された拠点機能形成車です。大規模災害が起きた際、どのように活用されるのでしょうか」

長さ約12m、高さ約3.6m、幅約2.5m。消防車両の中で最も大きなこの拠点機能形成車の役割は隊員の活動サポート。
消防庁から、2022年3月、杵藤地区消防本部に配備され全国で25台目です。

【杵藤地区消防本部警防課 川崎啓次課長補佐】
「大規模災害の派遣先となると非常に隊員が疲弊する状況下に置かれるが、それをいくらかでも改善したいということで、冷暖房設備や温かい食事がとれる状況など以前と比べだいぶ改善された」

車内には常時、テントやキッチンセット、簡易トイレや組み立て式のシャワーなどを積んでいて、60人の隊員が寝泊まりできるよう準備されています。

【杵藤地区消防本部警防課 川崎啓次課長補佐】
Qこちらはどういうもの?「隊員が宿営地で寝泊まりする時に使用するエアーテント。空気の力で組み立てると、8m×12mの広さになる」

この車両の特徴は大量の荷物が積めることだけではありません。実は…
運転席側がせり出し、幅が約2倍になるんです。

【杵藤地区消防本部警防課 川崎啓次さん】
「資機材を降ろして車体を拡幅すると約40平米のスペースができるので、活動部隊の作戦本部や現地の指揮本部として機能する車両」

約5mの幅まで広げると車の中とは思えないまるで一つの部屋のような広いスペースがうまれます。
このスペースを指揮本部に利用できるほか、けが人が大量に発生した場合、応急救護所としても使うことができます。
元々この車両は、東日本大震災で隊員が長期間にわたり過酷な環境での活動を強いられたことを受け、環境改善を目的に作られました。
杵藤地区消防本部が管轄する武雄市や大町町などは2021年も豪雨で大きな被害を受けるなどたびたび過酷な状況に直面しています。

【杵藤地区消防本部警防課 川崎啓次課長補佐】
「短時間のうちに同時多発的に119番通報があり救助要請があったので。まず優先順位を決めて救助にあたるという方針で救助活動を進めた」

2021年の豪雨では杵藤地区消防本部では、14日午前3時20分ごろから「自宅の床上まで浸水して避難できない」などの救助要請が入り出し、翌日の正午過ぎまで続きました。2日間の救助要請は76件、豪雨が無い年の1年分に相当しました。

【杵藤地区消防本部警防課 川崎啓次課長補佐】
「令和3年は特別警報の発表を前に第3配備ということで、杵藤地区消防本部の全職員を招集して対応にあたった。情報の共有を図りながら、優先順位を定めて救助に向かった点については、令和元年と比較してはやい活動が展開できたと思う」

より的確な救助をするため、地元の消防団や警察など関係機関との連携、休憩場所や温かい食事で救助隊員の精神・肉体的な後方支援。この拠点機能形成車に期待を寄せます。

【杵藤地区消防本部警防課 川崎啓次課長補佐】
「実際に去年の熊本豪雨でも、ある町が同じ車両を町役場の機能として活用したと聞いている。隊員のモチベーション・パフォーマンスも上がると思うので、全体的に活動にとってはメリットになる」

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