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大やけどがきっかけで 3児のママで少女漫画雑誌『ちゃお』連載 漫画家「あまねあいさん」【佐賀県】

2023/04/19 (水) 18:17

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シリーズでお伝えしている「佐賀人十色」。
3人の子供を育てながら人気漫画雑誌「ちゃお」の連載を手がける女性が唐津市にいます。ごく普通の主婦から漫画家へ。必死にもがきながらたどりついた独学の作風で、いまでは多くのファンを魅了しています。

「わたしが好きになる人わたしを好きになってくれる人ってどこかにいるのかな」

【漫画家 あまねあいさん】
「母から今でもたまに言われる。"一番子供を見ていられるこのときにそんなに働いて後悔するんじゃないの″と」

Q.そう言われながらも漫画家は続ける?
「絶対辞めない!!!」

デビュー6年目、唐津市在住の漫画家あまねあいさんです。
顔を隠すのがもったいないくらい素敵な女性ですが、残念ながら顔出しはNG。

Q.先生にとって「ちゃお」とは?
【漫画家 あまねあいさん】
「教科書、バイブル、道しるべ、人生」

いまでは、発行部数トップの少女漫画雑誌「ちゃお」の読み切りや「ちゃおデラックス」の連載を受け持つ、あまねあいさん。
漫画家を志したきっかけが「ちゃお」であり、そこで漫画を描くことが幼いころからの夢でした。

【漫画家 あまねあいさん】
「6歳で入院して、その日は今夜が山場と言われていた」

6歳の冬、自宅でストーブの上のやかんを倒し、痛みを感じないほどの大やけどを負ったあまねあいさん。
病室のベッドの上では自由に動くこともできませんでした。

【漫画家 あまねあいさん】
「"退屈だ退屈だ″と言っていたので、母が見かねて『ちゃお』を買ってきてくれて、『ちゃお』にどハマりした。そこで"漫画家になりたい″と"ちゃおでこんな風にかきたい″と思った」

こうして「ちゃお」の世界に引き込まれた6歳の少女は早速、入院中の病室で漫画を描き始めました。
その後、小・中・高と、学校では気づけばノートなどに漫画を描いていたといいます。

【漫画家 あまねあいさん】
「漫画家になると、どこにでも書いていた。机にも書いていた。何がしたいのかを明確にすると楽しくなる。毎日が」

ただ、本格的に漫画家の道へ進むことはせず、高校卒業後にはすぐに結婚、いまでは3人の子供を授かりました。
それでも、育児の合間を縫って漫画を描き続けていたある時、転機が訪れます。

【漫画家 あまねあいさん】
「10歳のころの途中で描きやめていた作品が見つかったので仕上げて投稿した」

なんと初めて投稿した作品が小学館最大の新人漫画賞、新人コミック大賞少女・女性部門で佳作を受賞。
受賞と同時に漫画家としてのデビューが確実となる賞です。

【漫画家 あまねあいさん】
「次男を抱っこして電話に出たら"デビューが決まりました″と。もうガタガタ震えて、電話切ったあともわーわー叫んでいた」

そして、2017年3月、2カ月に1回発売される「ちゃおデラックス」でデビュー。
ごく普通の主婦が『漫画家 あまねあい』になった瞬間でした。
ただ、独学かつ経験の浅さから当初は悔しい思いも。

【漫画家 あまねあいさん】
「いざ、デビューしてみたら、本当にド素人の自分がもう恥ずかしくて恥ずかしくて」

頭では思いついていても、それを上手く表現できない日々。無意識に描いているほど好きだった漫画が一度は描けなくなったといいますが、そんなときに考えたのが…

【漫画家 あまねあいさん】
「一話でいいことをしよう、読者に印象に残るせりふを描かなきゃという取り繕ったものからシフトチェンジした。自分好みの"こういうのかわいいよね″とか」

“自分の好きなものを描く”必死にもがいてたどりついた独自の作風でした。
そして去年、自身初の単行本も。

「ただの幼なじみにこんなことしないでしょ…?告白みたいに…聞こえるんだけど…」

タイトルは「だからあなたに恋をした」

作者の言葉を借りると“エモ恋”漫画。
同級生の男子2人の間で揺れ動く女子中学生を描いた青春恋愛ストーリーです。

一方、そんな漫画家としての顔も持つ母のことを子供たちはどう思っているんでしょうか?

Q,お母さんどう?
【次男(小学2年生)】
「家で漫画描いている。上手い」

【漫画家 あまねあいさん】
「長男は喋りかけちゃいけないと思っているので、そっとしておいてくれる。次男、三男はおかまいなしに話しかけてくる。でも"この絵どう?″ってパっと見せたら、"なになにの絵だ″とか言ってくれて、この子たちに伝わるなら読者にも伝わるかみたいな指針になってくれる」

Q.学校で自慢する?
【長男(小学3年生)】
「しない。お母さんが言ったらダメって言うから。友達にはバレてない」

いまでは多くのファンもいます。
2月には自身初の漫画ワークショップを開催。20人の定員はすぐに埋まりました。

【参加した小学生】
「あまねあいさんの漫画を読んだことがあって、面白かったから参加しようと思った」

【参加した小学生】
「あまねあいさんみたいな漫画家になりたい」

また、最近では地元唐津にも活躍の場を広げています。

【漫画家 あまねあいさん】
「唐津の人が見て"あっ!″と目に留まったらいいなと」

【唐津市ボートレース企業局 山下貴也さん】
「少女漫画家という全く真逆の層だけど、そういう人も気軽に来られるような良いイメージアップにつながるのかな」

3児の母として、漫画家として日々奮闘するあまねあいさん。


【漫画家 あまねあいさん】
「正直大変。きれいごとじゃないここばかりは」

決して両立は簡単ではありませんが、漫画への情熱は弱まるどころか強くなるばかりです。

【漫画家 あまねあいさん】
「"あまねあい″という名前を聞いたときに、"あ、ちゃおの人ね″って思われるような作家になりたい」

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