2023/06/14 (水) 18:09

吉野ヶ里遺跡で見つかった石棺墓について、県は14日、最終的に人骨や副葬品は発見されなかったと発表しました。一方、内部の赤い色の顔料などから「邪馬台国時代の有力者の墓であることが裏付けられた」としています。

【川浪沙貴記者】
「吉野ヶ里遺跡で新たに見つかった石棺墓について、人骨や副葬品は見つかりませんでしたが、邪馬台国時代の有力者の墓であることが裏付けられました」

県は14日、石棺墓の内部の土砂を全て取り除いた結果、人骨や副葬品は発見されなかったと発表しました。
一方、新たに石棺の底にも赤い色の顔料が確認され、石棺の内側全体が赤く塗られていたことが分かったということです。
県は、この赤い色の顔料や石棺墓の発見場所、規模の大きさなどを総合的に考えると「邪馬台国時代の有力者の墓であることが裏付けられた」としています。

【県立佐賀城本丸歴史館 七田忠昭館長】
「いろいろな階層の人が弥生時代にいる。この人がどのくらい身分が高かったのか、周辺の調査や吉野ヶ里遺跡全体、周辺の墓地の成果を合わせて考えるとおのずと分かってくるのではないか」

石棺墓の調査は14日で終了し、県は6月24日と25日に現場の一般公開を検討しています。
今回、調査を進めていた吉野ヶ里遺跡のいわゆる“謎のエリア”はこれで6割程度の調査が終わり、県は9月ごろから、残りのエリアも発掘を進める方針です。