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「殺してやるという思い支えに虐待に耐え続けた」鳥栖両親殺害事件初公判 母親への殺意は?【佐賀県】
2023/09/01 (金) 18:40

『いつか殺してやる』という積年の恨みが犯行に駆り立てたのでしょうか?今年3月、鳥栖市で両親を殺害し、殺人の罪に問われた19歳の長男で元大学生の初公判が開かれ、被告は「母親には殺意は無かった」と起訴内容を一部否認しました。
起訴状などによりますと当時福岡市在住で、19歳の元大学生の男は今年3月、鳥栖市に住む50代の父親と40代の母親の胸などをナイフで刺し、殺害したとして殺人の罪に問われています。
9月1日に佐賀地裁で開かれた初公判で、被告の元大学生の男は「殺害した事は認めるが、母親には殺意は無かった」と起訴内容を一部否認しました。
検察側は冒頭陳述で、「成績で叱られるなどし、中学生の頃から父親に殺意を抱いていた。大学に入りあえて成績を上げず、叱責を受ける機会をつくり、実家に来るように言われたとき殺害を決意した」などと動機や犯行に至る経緯、それに計画性を指摘しました。
一方、弁護側は「成績が悪いと1時間以上正座させ、暴言を言われたり暴力を振るわれたりした。中学生以降、『いつか殺してやる』という思いを支えに、つらい虐待に耐え続けた」などと被告が置かれていた環境を明らかにしました。その上で、止めに入った母親については傷害致死にとどまると主張したほか、被告を佐賀家庭裁判所に送り、保護処分とすることを求めています。
被告は19歳で県内では初めての特定少年として、起訴の段階では名前が公表されましたが、遺族の申し立てを受けて名前も姿も伏せて裁判は進められています。
判決は9月15日に言い渡されます。
ここからは、司法担当の長島記者とお伝えします。
【長島記者】
よろしくお願いします。
【キャスター】
初公判に臨んだ被告はどのような様子でしたか?
【長島記者】
ついたてで姿は見えませんでしたが、落ち着いた声で受け答えしている印象でした。先ほどのVTRにもありましたように公判の冒頭、被告は淡々と「母親への殺意はなかった」と話しました。この「母親への殺意の有無」、検察と弁護側で大きく主張が食い違い、今回の裁判で大きなポイントになっています。
【キャスター】
それぞれどのように主張しているんでしょうか?
【長島記者】
まず検察側です。きょうは証人として母親の司法解剖を担当した医師が出廷し、「致命傷となった傷は心臓に達するほど深いものであり、刃物を固定して強い力を加えないとこのような傷はできない」と証言しました。これを踏まえ、検察側は母親に対しても殺意を持って刺していて、殺人罪にあたると主張しました。
一方、弁護側です。当時の状況について「犯行を止めに入った母親と揉み合いになった際、排除しようと刺したがどこに刺さったかは見ておらず殺意はなかった」と説明し、母親の殺害に関しては傷害致死罪に留まると主張しました。
【キャスター】
母親への殺意に加えもう1つの大きな争点が“量刑”ですよね?
【長島記者】
その通りです。検察側はきょう量刑を左右する重要な要素を明らかにしました。それが被告の“計画性”です。被告が犯行の数日前に人体の急所を調べていたことや、事前にナイフを購入していたこと、犯行時に返り血が目立たないよう黒い服を来ていったことなどを明らかにし、検察は犯行に計画性があったと指摘しています。
一方、弁護側は父親からの虐待が原因で起こった事件であることや、家庭内での出来事であることなどを踏まえ刑罰を与えるのではなく、家庭裁判所に移送して被告を少年院に送るなど保護処分にすべきと主張しています。
【キャスター】
裁判はきょうから5回にわたり裁判員裁判で行われ、今月15日に判決が言い渡されます。ここまで長島記者とお伝えしました。
起訴状などによりますと当時福岡市在住で、19歳の元大学生の男は今年3月、鳥栖市に住む50代の父親と40代の母親の胸などをナイフで刺し、殺害したとして殺人の罪に問われています。
9月1日に佐賀地裁で開かれた初公判で、被告の元大学生の男は「殺害した事は認めるが、母親には殺意は無かった」と起訴内容を一部否認しました。
検察側は冒頭陳述で、「成績で叱られるなどし、中学生の頃から父親に殺意を抱いていた。大学に入りあえて成績を上げず、叱責を受ける機会をつくり、実家に来るように言われたとき殺害を決意した」などと動機や犯行に至る経緯、それに計画性を指摘しました。
一方、弁護側は「成績が悪いと1時間以上正座させ、暴言を言われたり暴力を振るわれたりした。中学生以降、『いつか殺してやる』という思いを支えに、つらい虐待に耐え続けた」などと被告が置かれていた環境を明らかにしました。その上で、止めに入った母親については傷害致死にとどまると主張したほか、被告を佐賀家庭裁判所に送り、保護処分とすることを求めています。
被告は19歳で県内では初めての特定少年として、起訴の段階では名前が公表されましたが、遺族の申し立てを受けて名前も姿も伏せて裁判は進められています。
判決は9月15日に言い渡されます。
ここからは、司法担当の長島記者とお伝えします。
【長島記者】
よろしくお願いします。
【キャスター】
初公判に臨んだ被告はどのような様子でしたか?
【長島記者】
ついたてで姿は見えませんでしたが、落ち着いた声で受け答えしている印象でした。先ほどのVTRにもありましたように公判の冒頭、被告は淡々と「母親への殺意はなかった」と話しました。この「母親への殺意の有無」、検察と弁護側で大きく主張が食い違い、今回の裁判で大きなポイントになっています。
【キャスター】
それぞれどのように主張しているんでしょうか?
【長島記者】
まず検察側です。きょうは証人として母親の司法解剖を担当した医師が出廷し、「致命傷となった傷は心臓に達するほど深いものであり、刃物を固定して強い力を加えないとこのような傷はできない」と証言しました。これを踏まえ、検察側は母親に対しても殺意を持って刺していて、殺人罪にあたると主張しました。
一方、弁護側です。当時の状況について「犯行を止めに入った母親と揉み合いになった際、排除しようと刺したがどこに刺さったかは見ておらず殺意はなかった」と説明し、母親の殺害に関しては傷害致死罪に留まると主張しました。
【キャスター】
母親への殺意に加えもう1つの大きな争点が“量刑”ですよね?
【長島記者】
その通りです。検察側はきょう量刑を左右する重要な要素を明らかにしました。それが被告の“計画性”です。被告が犯行の数日前に人体の急所を調べていたことや、事前にナイフを購入していたこと、犯行時に返り血が目立たないよう黒い服を来ていったことなどを明らかにし、検察は犯行に計画性があったと指摘しています。
一方、弁護側は父親からの虐待が原因で起こった事件であることや、家庭内での出来事であることなどを踏まえ刑罰を与えるのではなく、家庭裁判所に移送して被告を少年院に送るなど保護処分にすべきと主張しています。
【キャスター】
裁判はきょうから5回にわたり裁判員裁判で行われ、今月15日に判決が言い渡されます。ここまで長島記者とお伝えしました。
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