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佐賀のみで本格栽培 品質良い“国内産”小麦「はる風ふわり」日本の小麦自給率向上にも期待【佐賀県】

2023/11/02 (木) 18:40

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シリーズでお伝えしている「サガリサーチα」。今回はパン用小麦の話題です。日本では栽培が難しいとされていますが、3年前、佐賀県で新たな品種の栽培が始まりました。品質の良い“国内産”の小麦が安定的に生産できるとしていま大手パンメーカーから注目を集めています。

10月から九州・山口で販売が始まったロールパン。もっちりとした食感を生み出しているのは佐賀県産の小麦「はる風ふわり」です。パン用の小麦「はる風ふわり」。九州沖縄農業研究センターが去年登録した品種で、各地に生産を呼び掛けたところいち早く手を挙げたのが佐賀県でした。

【理研農産化工 鐘ヶ江聡さん】
「(佐賀県には)パンに向く小麦の品種「ミナミノカオリ」があったが穂発芽という、穂の段階で発芽してしまうことがあった。それに代わる新しい品種がないかと」

はる風ふわりを製粉する、理研農産化工の鐘ヶ江聡さん。県やJAとともに県内での試験栽培を見守ってきました。一般的なパン用小麦は雨に打たれると、穂の段階で発芽してしまう“穂発芽”という特徴があり、梅雨がある日本では栽培が難しいとされています。一方、はる風ふわりは栽培時期をずらすことで梅雨入り前に収穫できます。
また、試験の結果はる風ふわりはそもそも穂の段階では発芽しにくいほか、パン用小麦にとって重要なタンパク質が豊富ということも分かりました。

【理研農産化工 鐘ヶ江聡さん】
「タンパク質の質が非常にしなやかで、膨らみやすいパンのふわっとした食感がイメージしやすいと思うが、それに向く品種であった」

こうして佐賀県では3年前から本格的に作付が始まったのです。

【中俣理子】
「はる風ふわりは早くも大手パンメーカーの目にとまり、続々と新商品が出ています」

こちらはリョーユーパンのはる風ふわりブレッド。そして、こちらにも!はる風ふわりを使ったフジパンのタマゴロールと明太マヨロールはイオン佐賀大和店などで販売されています。

【中俣理子】
「適度な弾力ともっちりとした食感がクセになります。生地はほのかに甘くてタマゴとの相性もバッチリです」

今回、このロールパンが作られているフジパンの福岡工場に潜入してきました。

【九州フジパン大村真咲さん】
「この小麦粉の特徴として風味やひきであったり、そこが感じられたのでそれを最大限生かせるように」

小麦の風味やパンにしたときの弾力など、品質はほかのパン用小麦と同等か、それ以上だというはる風ふわり。注目を集める大きな理由はそれが“国内産”という点にあるといいます。

【九州フジパン 大村真咲さん】
「国産の小麦はパンに不向きだったが、それを補うパンを作っていかなければ九州産の小麦は安全安心、そういうところを踏まえて商品化に至った」

小麦全体の8割以上を海外からの輸入に頼っている日本。パン用小麦も、多くがアメリカ産やカナダ産を使っているのが現状です。つまり、はる風ふわりの誕生は日本の小麦自給率の向上にも一役買うと期待されているんです。

JAさがによりますと、全国で見てもはる風ふわりを本格栽培しているのは佐賀県だけ。作付面積は当初の41ヘクタールから、現在は1256ヘクタールまで拡大していて、今後も需要に応じて拡大していく方針です。
また、フジパンは11月1日、はる風ふわりを使った新商品第二弾を発売。12月には第三弾を予定しています。

【九州フジパン 大村真咲さん】
「九州の皆さんに食べていただいて、美味しさを知ってもらって、この先全国的に皆さんに食べていただければありがたい」
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