2023/12/12 (火) 18:40

サガテレビは先週末、世論調査を行いました。西九州新幹線やオスプレイなど、国策が絡む県政課題が多い中、西九州新幹線については全線フル規格化に過半数が賛成するなど、県民からは新たに様々な意見が聞かれました。

世論調査は、12月9日と10日の2日間、無作為抽出、電話オペレーターによる聞き取りで、県内18歳以上の男女から300人の有効回答を得ました。

まずは、去年武雄温泉から長崎間で開業した西九州新幹線について。

西九州新幹線の開業について、「開業効果を感じていない」と答えた人は68.2％で、「感じている」と答えた人の22.4％を大きく上回りました。地域別では「感じている」と答えたのが武雄地区と嬉野市を含む鹿島地区でそれぞれ35％ほどとなりましたが、佐賀多久地区では17.5％、唐津地区では4％にとどまっています。

開業効果を感じていない主な理由としては「佐賀が通過されるだけになった」と回答した人が過半数を超え、次いで「在来線の特急減少」を挙げた人が28％となりました。

一方現在宙に浮いたままの状態になっている「新鳥栖ー武雄温泉」区間。

国やJR九州、長崎県などが求めている「全線フル規格化」での整備について、賛成と答えた人は49.5%、反対は26.5%でした。

フル規格化した場合のルートとしては、「佐賀駅を通るルート」が47.1％で最も多く、次いで「佐賀空港と連携する南ルート」、「長崎自動車道と連携する北ルート」がいずれも25％ほどと続いています。また多くの地域で「佐賀駅ルート」を支持する人が多く、40歳以上の人の支持の割合が多くなっています。

一方、フル規格で整備しない場合、新鳥栖ー武雄温泉間については「対面乗り換え方式の継続」が26.4％「スーパー特急」が26.1％、「フリーゲージトレイン」が20.6％となっています。

続いてはオスプレイに関する設問です。

墜落事故もあり前回とは少し変化がありました。佐賀空港への自衛隊のオスプレイ配備計画について、今年は駐屯地工事が始まり、工事が進められるなど事態が大きく動いた年でもありましたが、11月、アメリカ空軍所属のオスプレイが墜落するなど、その安全性に疑問や不安が残る事故も起き続けています。

「佐賀空港のオスプレイの配備計画」に賛成と答えた人は全体の36.7%、反対は35.4%と、賛成がわずかに上回っているものの、かなり拮抗した結果となりました。また、18歳から29歳までの年代は反対が半数となりました。

ここ最近のオスプレイの賛否を巡っては、前々回、2019年7月の調査で初めて賛成が反対を上回り、前回の調査では賛成が反対を10ポイント近く上回りました。しかし今回、賛成と反対の差は1.3ポイントとその差が再び詰まっています。賛成の理由としては、「地元経済が潤う」と答えた人が最も多く、次いで「国防に協力できる」となっています。一方、反対の理由は、「安全性に不安がある」が、63.6%で最も高くなっています。

続いては来年開催される「国民スポーツ大会」に関しての設問です。県民の関心は高くなっているようです。開幕まで1年を切った「国スポ」「障スポ」についてどの程度関心があるか、という問いに対しては、「すごく関心がある」「関心がある」と答えた人が58.4％と約6割を占めました。一方、「あまり関心がない」「全く関心がない」と答えた人も4割にのぼっており両極化しています。

最後に就任から9年目となる山口知事のこれまでの動きに対する支持・評価です。
山口県政について「支持する」「どちらかといえば支持する」と答えた人は、前回をやや上回り8割を超えました。主な理由としては「政策や県政課題への対応」が最も高く29.3％、「人柄」「PRが上手い」がそれぞれ約25％で続いています。

※「全線フル規格化」の問の画像で、一部のスーパーが「武雄温泉ー長崎」となっていましたが、「武雄温泉ー新鳥栖」の誤りです。訂正します。