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700年以上続く"尾崎人形" 伝統継承する2人 新たな取り組みも【佐賀県神埼市】
2024/08/20 (火) 18:40

県内で様々な分野で活躍する人を紹介する「佐賀人十色」神埼市神埼町の尾崎地区で700年以上続く尾崎人形。その伝統を継承するために活動する2人を紹介します。
県外からも多くの人が訪れる秋の国スポもチャンスにしようと新たな取り組みも始まっています。
700年以上前から作られている伝統工芸品「尾崎人形」神埼市神埼町尾崎地区に伝わり尾崎焼に使う粘土の余りなどを使って作られ、子供たちの玩具として親しまれてきました。
【城島さん】
「江戸時代は尾崎焼はかなりたくさん作られていて、有田とかと並ぶような盛んに焼き物が作られていた産地だった(と聞いている)」
地区には何十軒も窯元が並び、昭和中期まで盛んに生産された尾崎焼・尾崎人形。1980年代になると主に作られていた屋根瓦の需要減少も背景に、窯元はわずか1軒になりました。
【高柳さん】
昔は粘土を田んぼの下からとっていた。そのときは車がないからリアカーに乗せて一人で抱えてものすごく重かった」
職人の高柳政廣さん。途絶えようとしていた尾崎人形を守ろうと1989年に立ち上がった保存会のメンバーで、15年前から製作を続けています。
もう1人の職人城島正樹さん。もともと雑貨店で尾崎人形を販売していましたが、扱う商品を手がけたことをきっかけに5年ほど前に作り手になり、現在は2人で継承に取り組んでいます。
【高柳さん】
「注文が間に合わんで一人で作っても追いつかんでから、だから手伝ってもらうことになった」
現在残っている昭和中期の尾崎人形を見ながら形やデザインを再現しています。
【城島さん】
「笛がきれいになるところが一つ大事なポイントかなと思っていて結構きれいな澄んだ音が出ているものが昔のものにあったので」
赤・青・黄色の伝統色が特徴の尾崎人形。デザインは約40種類で、干支や佐賀のシンボルであるカチガラス・ムツゴロウの形をしたものもあります。
【城島さん】
「最近は佐賀のお土産として県外の方に買ってもらったりとか、佐賀県の方が佐賀のお土産として違うところに送られたりもするので、佐賀らしいもののデザインを増やしたり最近しています」
【高柳さん】
(城島さんは)よくやってくれるなと思って。最初は考えもしなかったけど。もう安心して任せられる」
素朴さが人気の尾崎人形ですが愛される理由はそれだけではありません。
【城島さん】
「人形のファンというより高柳さんのファンで尾崎人形を好きでいてくださる方も多いので、イベントに来てもらうだけで、「高柳さんに会いに来た」というお客さんも結構いらっしゃる」
【高柳さん】
「遠いところから来てもらうのがうれしい」
人形はもちろん一つ一つ手作り。慎重に押された印鑑を見ると「SAGA2024」の文字が。10月に開催される国スポ用の尾崎人形です」
【城島さん】
「参加している選手とかに持ち帰ってもらえるように作っている人形になります」
伝統的なスタイルの鳩笛に印象的なロゴを添えるのが今回の特徴。神埼市で開催されるハンドボールと剣道の選手たちに手渡そうと、市からの依頼を受け、約2300個を仕上げます。
【城島さん】
「一個一個丁寧にしないと。自分たちにとっては何十個・何百個作るうちの一個ですけど手元に届く方にとっては一個一個が、その人にとっての唯一の一個なので」
こつこつ製作を続けてきた2人にとって国スポは、尾崎人形を全国に広める機会になると期待しています。
【城島さん】
「まずは自分の力を出し切って帰ってもらえたらという願いと、人形を見たときに選手時代とかを思い出してもらうきっかけになってくれたらいいなと思う」
この日、2人の姿は地元の小学校にありました。30年以上前から保存会が毎年続けてきた母校での出前授業です。2人のサポートを受けながら子供たちは絵付けに挑戦。思い思いの作品を完成させました。
【児童】
「絵を工夫して作った。最後まで頑張ってできたからうれしかった」
「色の区別が難しかった。玄関に飾りたい」
実は城島さんもこの授業を受けた1人。尾崎人形を知るきっかけとなった体験に特別な思いを持って臨んでいます。
【城島さん】
「母校に行かせてもらって自分が体験したのと同じように4年生に体験してもらって、そういうところで尾崎人形を継承する人が出てきてくれたらいいなと」
時代の変化とともに途絶えそうになっていた尾崎人形。世代を問わず長く愛されるものにしていこうと2人の職人が伝統をつないでいます。
【城島さん】
「自分が小学生のころ体験したものを今もつなげて高柳さんに作ってもらっている。これからもつないでいけたらいいなと」
県外からも多くの人が訪れる秋の国スポもチャンスにしようと新たな取り組みも始まっています。
700年以上前から作られている伝統工芸品「尾崎人形」神埼市神埼町尾崎地区に伝わり尾崎焼に使う粘土の余りなどを使って作られ、子供たちの玩具として親しまれてきました。
【城島さん】
「江戸時代は尾崎焼はかなりたくさん作られていて、有田とかと並ぶような盛んに焼き物が作られていた産地だった(と聞いている)」
地区には何十軒も窯元が並び、昭和中期まで盛んに生産された尾崎焼・尾崎人形。1980年代になると主に作られていた屋根瓦の需要減少も背景に、窯元はわずか1軒になりました。
【高柳さん】
昔は粘土を田んぼの下からとっていた。そのときは車がないからリアカーに乗せて一人で抱えてものすごく重かった」
職人の高柳政廣さん。途絶えようとしていた尾崎人形を守ろうと1989年に立ち上がった保存会のメンバーで、15年前から製作を続けています。
もう1人の職人城島正樹さん。もともと雑貨店で尾崎人形を販売していましたが、扱う商品を手がけたことをきっかけに5年ほど前に作り手になり、現在は2人で継承に取り組んでいます。
【高柳さん】
「注文が間に合わんで一人で作っても追いつかんでから、だから手伝ってもらうことになった」
現在残っている昭和中期の尾崎人形を見ながら形やデザインを再現しています。
【城島さん】
「笛がきれいになるところが一つ大事なポイントかなと思っていて結構きれいな澄んだ音が出ているものが昔のものにあったので」
赤・青・黄色の伝統色が特徴の尾崎人形。デザインは約40種類で、干支や佐賀のシンボルであるカチガラス・ムツゴロウの形をしたものもあります。
【城島さん】
「最近は佐賀のお土産として県外の方に買ってもらったりとか、佐賀県の方が佐賀のお土産として違うところに送られたりもするので、佐賀らしいもののデザインを増やしたり最近しています」
【高柳さん】
(城島さんは)よくやってくれるなと思って。最初は考えもしなかったけど。もう安心して任せられる」
素朴さが人気の尾崎人形ですが愛される理由はそれだけではありません。
【城島さん】
「人形のファンというより高柳さんのファンで尾崎人形を好きでいてくださる方も多いので、イベントに来てもらうだけで、「高柳さんに会いに来た」というお客さんも結構いらっしゃる」
【高柳さん】
「遠いところから来てもらうのがうれしい」
人形はもちろん一つ一つ手作り。慎重に押された印鑑を見ると「SAGA2024」の文字が。10月に開催される国スポ用の尾崎人形です」
【城島さん】
「参加している選手とかに持ち帰ってもらえるように作っている人形になります」
伝統的なスタイルの鳩笛に印象的なロゴを添えるのが今回の特徴。神埼市で開催されるハンドボールと剣道の選手たちに手渡そうと、市からの依頼を受け、約2300個を仕上げます。
【城島さん】
「一個一個丁寧にしないと。自分たちにとっては何十個・何百個作るうちの一個ですけど手元に届く方にとっては一個一個が、その人にとっての唯一の一個なので」
こつこつ製作を続けてきた2人にとって国スポは、尾崎人形を全国に広める機会になると期待しています。
【城島さん】
「まずは自分の力を出し切って帰ってもらえたらという願いと、人形を見たときに選手時代とかを思い出してもらうきっかけになってくれたらいいなと思う」
この日、2人の姿は地元の小学校にありました。30年以上前から保存会が毎年続けてきた母校での出前授業です。2人のサポートを受けながら子供たちは絵付けに挑戦。思い思いの作品を完成させました。
【児童】
「絵を工夫して作った。最後まで頑張ってできたからうれしかった」
「色の区別が難しかった。玄関に飾りたい」
実は城島さんもこの授業を受けた1人。尾崎人形を知るきっかけとなった体験に特別な思いを持って臨んでいます。
【城島さん】
「母校に行かせてもらって自分が体験したのと同じように4年生に体験してもらって、そういうところで尾崎人形を継承する人が出てきてくれたらいいなと」
時代の変化とともに途絶えそうになっていた尾崎人形。世代を問わず長く愛されるものにしていこうと2人の職人が伝統をつないでいます。
【城島さん】
「自分が小学生のころ体験したものを今もつなげて高柳さんに作ってもらっている。これからもつないでいけたらいいなと」
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