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東日本大震災から10年 佐賀から思い託し閖上にハトが舞う【佐賀県】

2021/03/11 (木) 19:00

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東日本大震災から11日で10年です。佐賀から被災地へ届けたい追悼の思いと、復興への願い。その架け橋となったものとは。

女性:早く東北の人が穏やかな生活に戻れたらと思ってそういう気持ちを込めて書きました」
男性:「この歌が前から好きで。向こうの皆さんも悲しみの果てにいるんだろうけど素晴らしい日々を送ってほしい。それを歌に託して書いた」
男性:「この頃大きい地震があって10年経つんだなと改めて思った。佐賀から応援しているという気持ちが届けば」

真っ白なハトの風船に寄せられた思い。宮城県名取市閖上という町の中学校跡地で開かれる追悼の集いで、一斉に空に飛ばすものです。
10年前の3月11日、津波による大きな被害を受けた海沿いの町、閖上。かつて5000人が暮らした町では6人に1人が亡くなり、当時の閖上中学校でも14人の生徒が犠牲になりました。
「震災10年。皆さんはどのように過ごしますか。あすへ、つながりあって生きていこう。ただそれだけ」
佐賀から被災地へ、思いを届けようと活動しているのは、仙台市出身の富田万里さんです。
宮城県人会を佐賀で発足させ、10年を迎えます。
宮城県人会さが 富田万里さん:「宮城県人会の会報のまんずまんず通信といいます。宮城弁であらまぁっていううれしい感嘆詞というか」
奇数月には交流会を、偶数月には手作りの会報を発行し、2月で57号目に。結婚を機に佐賀に移り住み30年となる富田さんが県人会発足を決意したきっかけは東日本大震災でした。
宮城県人会さが 富田万里さん:「震災までの18年くらいは忘れてましたね、仙台のこと。理由はわからないんですが気持ちが変わってやはり私のふるさとが大変なことになってる!ってみんな今宮城で苦しんでる」「ふるさとを離れた者だけが、だからこそ感じていることとか、共通するものがあるに違いないと」

最初は3年ほどと思っていたという活動ですが、気が付けば10年に。県人会は9人から44人に広がり、仕事のかたわら宮城の特産品のPRや、震災を描いた映画の上映など様々な活動を続けてきました。
鳩ふうせんの取り組みは閖上での追悼のつどいを主催する女性との出会いから、2016年にスタートしました。
この日は、寄せ書きを集めようと、なじみの映画館に。最初は2枚ほどでしたが、徐々に書きたいという人が増え現在は10枚を超えています。

活動は、若い世代にも広がっています。
Q.当時何歳?
男子生徒:「7歳です。あんまり覚えてない。今考えてみると、大勢の人が亡くなって、想像以上のことが起きたんだなと思います」
ドキュメンタリー映画で東日本大震災について学んだあと生徒会のメンバーが代表し、寄せ書きをすることになりました。
先生と生徒のやりとり:「震源地はそこだよね」「海?」「うん、でも放射能が漏れた」
Q.何を見てたの?
女子生徒:「東日本大震災のホームページ。何があったかみたいな。大事に生きなきゃなって思いました」
10年前は小学生だった生徒達。最初はどう言葉にするか悩んでいたメンバーでしたが、鳩はあっという間に被災地への思いで埋め尽くされました。
女子生徒:「自分がその場にいたらどうしてたかなとか。」
男子生徒:「ちょっとずつ復興していくのが東北の皆さんがすごいと思って書いた。」
女子生徒:「1人じゃできないから、みんなで少しずつ頑張っていこうということと、みんなで自分の町を守っていこうと」
女子生徒:「たくさんのハトが飛んでいくと思うから、思いが届けばいいなと思う」
男子生徒「『これからも復興に向けて共に頑張っていきましょう』」

こうして集まった寄せ書きは約150人分。佐賀から閖上へと旅立ちます。
宮城県県人会さが 富田万里さん:「すごい迫力ですね。言葉の迫力。遠く離れてはいるんですが、空はつながっているねって」

そして3月11日。
宮城県県人会さが 富田万里さん:「あの時現地で被災した、私は佐賀にいて全く何もなくて、同じ宮城県人でも溝があるのは感じるんです。あまりに大変だったから。でも溝をだんだん埋めていって、同じ気持ちを持つようになる、そういう風に変わっていくのは人間だったら可能かなと思って。ずっとつながっていきたいという思いを(が)年々かえって強くなっていくような感じ。今までどおりです。3月11日で10年。11年目になっても、どこを切り取っても同じようなことをしていったらいいなと思っている」
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