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佐賀市が移行を検討している"中核市"とは? メリット、デメリットは?【佐賀県】
2023/04/27 (木) 18:19

佐賀市が移行を検討している「中核市」。
「中核市」は「政令指定都市」などと同じ地方自治体の枠組みのことで県内にはまだ1つもありません。
中核市になるとどのようなメリットデメリットがあるのか。佐賀市政担当の波佐間さんとお伝えします。
【波佐間 崇晃記者】
中核市は、政令指定都市に次ぐ枠組みで人口が20万人以上であることが条件です。佐賀市の人口は約23万人ですので、県内では唯一基準を満たしています。行政事務の幅が広がり、市が思う政策を実現しやすくなるとされ、前向きな坂井市長は去年9月の市議会で、『県都としての求心力を高め、さらに発展・成長していくための大きなチャンス』と話しています。
【佐賀市行政マネジメント課 志波良課長】
「中核市になりますと、多くの事務権限が佐賀県から佐賀市に移譲されることになります。今後権限を移譲される事務について県との協議を丁寧に進めて参りたいと思っています」
【キャスター】
具体的にはどのようなことができるようになるんでしょうか?
【波佐間 崇晃記者】
主な事務は、飲食店の営業などに許可を出したり、屋外の広告物の設置に制限をかけたりすることなどです。
【キャスター】
このあたりは街づくりにも関わってくる話ですね。
【波佐間 崇晃記者】
2021年4月に中核市に移行した愛知県の一宮市に話を聞きました。
【愛知県一宮市政策課 谷口純一専任課長】
「県が審査・決定を行っていた事務を市が一括して行うことにより、たとえば身体障害者手帳の交付事務においては、以前は申請から交付まで数カ月程度かかっていたものが、3週間程度に短縮されています」
そして中核都市として大きなポイントになるのが自前の保健所の設置です。去年2月に初めて開かれた検討会議で市長は次のように話していました。
【佐賀市・坂井英隆市長】
「コロナ禍で全国的に保健所が持つ機能が大きくクローズアップされることとなり、私自身そのことに注目してきた」
市民の健康や衛生に市が直接携わりたいという点が中核市への移行を検討するきっかけにもなったといえます。
【キャスター】
一方、デメリットはどういったことがあるのですか?
【波佐間 崇晃記者】
最も大きなものがコストです。先行した一宮市は次のように話しています。
【愛知県一宮市政策課 谷口純一専任課長】
「現在はその保健所の建物を愛知県からお借りして、保健所を運営しております。しかし令和6年度末には愛知県に建物をお返しすることになっていますので、設計のプロポーザルを今年度実施していて、設計だけで1億6000万ほどかかっています」
【キャスター】
負担が大きいと、中核市にならなくてもいいのではと思ってしまいますね。
【波佐間 崇晃記者】
中核市への移行は自治体が判断するので、あえてしないという市もあります。
人口約24万4000人の神奈川県の茅ヶ崎市は、2015年には中核市移行への目標時期を設定するなど積極的に準備を進めていました。ところが市議会が調査を進めた結果、人材確保の課題などが浮き彫りになり、現在は「専門職の確保や職員の専門知識の習得が難しい」「財政状況などに懸念を感じる」などとして、移行は「未定」としています。
【キャスター】
全国に中核市はどれくらいあるのでしょうか?
【波佐間 崇晃記者】
現在全国に62あります。候補市は12あります。近くでは久留米市、長崎市や佐世保市も指定されています。中核市も政令指定都市もない県は、三重県、徳島県、そして佐賀県のみです。地方行政に詳しい福岡大学法科大学院の児玉弘准教授は、県全体で考えた場合のメリットを話します。
【福岡大学法科大学院 児玉弘准教授】
「佐賀県が佐賀市に対して払っていた、振り向けていたリソース(費用)を残り19市町に振り向けることができるようになるのであれば、県全体で良い方向に向かっていくという見方もできると思います。そういう観点でいくと肯定的にとらえていくことができるのではないか」
【波佐間 崇晃記者】
一方佐賀県は『現在はまだ回答できる状況にはない』と話しています。
【キャスター】
県内外に向けて、中核市に「昇格した」とPRはできますが、市としての財政負担が増えることも見逃せないですね。
【波佐間 崇晃記者】
市議会議員からもこんな声もありました。肯定派の議員からは『イメージアップや街づくりに生かせる』との声もある一方、否定派の議員からは『身近で感じる具体的なメリットがない』という厳しい声もあり、財政負担を上回るメリットを見出し市民に還元できるのか今後の議論が注目されます。
「中核市」は「政令指定都市」などと同じ地方自治体の枠組みのことで県内にはまだ1つもありません。
中核市になるとどのようなメリットデメリットがあるのか。佐賀市政担当の波佐間さんとお伝えします。
【波佐間 崇晃記者】
中核市は、政令指定都市に次ぐ枠組みで人口が20万人以上であることが条件です。佐賀市の人口は約23万人ですので、県内では唯一基準を満たしています。行政事務の幅が広がり、市が思う政策を実現しやすくなるとされ、前向きな坂井市長は去年9月の市議会で、『県都としての求心力を高め、さらに発展・成長していくための大きなチャンス』と話しています。
【佐賀市行政マネジメント課 志波良課長】
「中核市になりますと、多くの事務権限が佐賀県から佐賀市に移譲されることになります。今後権限を移譲される事務について県との協議を丁寧に進めて参りたいと思っています」
【キャスター】
具体的にはどのようなことができるようになるんでしょうか?
【波佐間 崇晃記者】
主な事務は、飲食店の営業などに許可を出したり、屋外の広告物の設置に制限をかけたりすることなどです。
【キャスター】
このあたりは街づくりにも関わってくる話ですね。
【波佐間 崇晃記者】
2021年4月に中核市に移行した愛知県の一宮市に話を聞きました。
【愛知県一宮市政策課 谷口純一専任課長】
「県が審査・決定を行っていた事務を市が一括して行うことにより、たとえば身体障害者手帳の交付事務においては、以前は申請から交付まで数カ月程度かかっていたものが、3週間程度に短縮されています」
そして中核都市として大きなポイントになるのが自前の保健所の設置です。去年2月に初めて開かれた検討会議で市長は次のように話していました。
【佐賀市・坂井英隆市長】
「コロナ禍で全国的に保健所が持つ機能が大きくクローズアップされることとなり、私自身そのことに注目してきた」
市民の健康や衛生に市が直接携わりたいという点が中核市への移行を検討するきっかけにもなったといえます。
【キャスター】
一方、デメリットはどういったことがあるのですか?
【波佐間 崇晃記者】
最も大きなものがコストです。先行した一宮市は次のように話しています。
【愛知県一宮市政策課 谷口純一専任課長】
「現在はその保健所の建物を愛知県からお借りして、保健所を運営しております。しかし令和6年度末には愛知県に建物をお返しすることになっていますので、設計のプロポーザルを今年度実施していて、設計だけで1億6000万ほどかかっています」
【キャスター】
負担が大きいと、中核市にならなくてもいいのではと思ってしまいますね。
【波佐間 崇晃記者】
中核市への移行は自治体が判断するので、あえてしないという市もあります。
人口約24万4000人の神奈川県の茅ヶ崎市は、2015年には中核市移行への目標時期を設定するなど積極的に準備を進めていました。ところが市議会が調査を進めた結果、人材確保の課題などが浮き彫りになり、現在は「専門職の確保や職員の専門知識の習得が難しい」「財政状況などに懸念を感じる」などとして、移行は「未定」としています。
【キャスター】
全国に中核市はどれくらいあるのでしょうか?
【波佐間 崇晃記者】
現在全国に62あります。候補市は12あります。近くでは久留米市、長崎市や佐世保市も指定されています。中核市も政令指定都市もない県は、三重県、徳島県、そして佐賀県のみです。地方行政に詳しい福岡大学法科大学院の児玉弘准教授は、県全体で考えた場合のメリットを話します。
【福岡大学法科大学院 児玉弘准教授】
「佐賀県が佐賀市に対して払っていた、振り向けていたリソース(費用)を残り19市町に振り向けることができるようになるのであれば、県全体で良い方向に向かっていくという見方もできると思います。そういう観点でいくと肯定的にとらえていくことができるのではないか」
【波佐間 崇晃記者】
一方佐賀県は『現在はまだ回答できる状況にはない』と話しています。
【キャスター】
県内外に向けて、中核市に「昇格した」とPRはできますが、市としての財政負担が増えることも見逃せないですね。
【波佐間 崇晃記者】
市議会議員からもこんな声もありました。肯定派の議員からは『イメージアップや街づくりに生かせる』との声もある一方、否定派の議員からは『身近で感じる具体的なメリットがない』という厳しい声もあり、財政負担を上回るメリットを見出し市民に還元できるのか今後の議論が注目されます。
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