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「佐賀の地酒守ろう」米の価格高騰が日本酒にも大きな影響 酒米不足の深刻化懸念【佐賀県】
2025/11/25 (火) 18:40
コメの価格高騰が佐賀が誇る日本酒にも大きな影響を与えています。県内では酒米農家が主食用米に転作する動きもあり、酒蔵はただでさえ足りていない酒米不足の深刻化を懸念。一方県は佐賀の地酒を守ろうと支援策を打ち出しています。
新酒の季節を迎えた日本酒。
【客】
「飲みやすい!おいしい!」
佐賀が誇る自慢の酒。
しかしいま、コメの価格高騰でピンチを迎えています。
県内随一の酒米の産地嬉野市塩田町。
年間550トンを収穫しています。
酒米農家の岩永一郎さんは…。
【酒米農家 岩永一郎さん】
「主食用米とあまり差額がなかったら、やはり主食用米に切り替えたいなという気持ちはあるけど、それは簡単にはいかない」
酒米の面積あたりの収入はこれまで主食用米より高くなっていましたが、主食用米の価格高騰で今年は逆転するケースも。
酒米は倒れやすく品質が安定しにくいため、県内では栽培が難しい酒米から転作する農家が出てきているのです。
【酒米農家 岩永一郎さん】
「背丈伸びる品種だから倒伏が心配。穂先が水に浸かったりすれば質落ちるということでそこが一番注意するところ」
苦労をしてでも責任産地として作り続けたい思いがある一方、生活のことを考えて頭を抱えています。
厳しい状況に置かれている日本酒の“作り手”。
その影響は酒蔵にもー。
佐賀を代表する酒蔵の一つ、鹿島市の馬場酒造場。
県内産の酒米の確保が難しいといいます。
【馬場酒造場 馬場第一郎さん】
「生産者が減っていくのは一番我々が恐れること。それに伴ってもちろん酒米も減ってくるし、作りたくても作れないようなかたちになるのが一番恐れる、怖い」
県内の酒蔵では近年、希望している7割から8割しか県内産の酒米が手に入っていないのが現状。
出荷時に検査する量でみると酒米の王様・山田錦はコロナ禍での大幅な作付減少もあいまって、2018年は437トンだったのに対し、去年は355トンと80トンほど減っているのです。
さらに、価格の急激な上昇も大きなダメージだといいます。
【馬場酒造場 馬場第一郎さん】
「去年より約35%、52%どうかしたら高い。そういう中で一番心配しているのは、これだけ上がったからこの値段まで上げさせてもらいますと言って、はたしてお客さんに納得してもらえるか」
価格転嫁することで日本酒離れが加速するのではないか…。
酒蔵からは緊急事態だという声もあがっています。
こうしたなか飲食店や消費者はどのように受け止めているのでしょうか。
佐賀酒を多くそろえている佐賀市の飲食店。
店長の山田友美さんはすでに値上がりは始まっていると話します。
【ばってん酒造 山田友美店長】
「どこの酒蔵も値上がりの連絡があるので少しずつひびいてはいる。ギリギリまで価格据え置きで頑張ってみて相談の結果、やむを得ない場合も出てくるのかなとは予想している」
いまは企業努力で価格を維持しているものの、今後さらに上がっていく可能性も。
一方、消費者は…。
【客】
「値上がりはあまりいまのところは気にならない」
「価格が上がっても飲みたい」
県内では特にファンが多い佐賀酒。
そんな地元の誇りを守るため、農家の負担を減らし、酒蔵の不安の解消を目指す動きもあります。新品種の開発です。
【県農業試験研究センター作物部 多々良泉部長】
「酒米は山田錦じゃないとダメだという言い方する酒蔵もいるが、お酒にはすごく適しているが農家レベルで考えると背丈が高くて倒れやすい。生産量も上がらないというようなところがあるので、そこを何とかしたいと思って開発に」
県農業試験研究センターでは1988年・昭和63年から酒米の育種を開始。
長い間研究を続けていますが、育てやすい品種ができても醸造試験をなかなかクリアすることができませんでした。
しかしついに、農家も酒蔵も両者が納得できそうな新品種の姿が見えてきました。
従来の品種である「山田錦」と比較してみると、新品種は背丈が20センチほど低く、茎も強度が増しています。
その上で、最初の醸造試験ではまずまずの反応だったということです。
【県農業試験研究センター作物部 多々良泉部長】
「酒米はやはり作りやすさだけではなく酒つくる段階でのいろいろな評価というところが大事になってくる。酒蔵と連携して今評価をしているところ」
農家が作りやすく、酒蔵が認める酒米へ。
一方、県は生産自体を支える取り組みも始めています。
【県園芸農産課 森敬亮係長】
「酒米が減ってしまいますとお酒の生産量が減ってしまう。これは佐賀酒という文化の危機ということもありますのでその大事な原材料である酒米の支援を行う」
県は高騰した主食用米との価格差相当の支援金を来年産の作付面積に応じて農家に支払うことを決めました。
山田錦であれば10アールあたり5万円を補助するということです。
【県園芸農産課 森敬亮係長】
「この支援を通して酒蔵と酒米生産者が深い結びつきを得て、主食用米高騰、こういったものも今後あるかもしれないので、そのときは結びつき・絆で乗り越えられる体制つくっていけたら」
佐賀の米で佐賀の酒を未来へ。
大切な佐賀の文化を守っていくために試行錯誤が続いています。
新酒の季節を迎えた日本酒。
【客】
「飲みやすい!おいしい!」
佐賀が誇る自慢の酒。
しかしいま、コメの価格高騰でピンチを迎えています。
県内随一の酒米の産地嬉野市塩田町。
年間550トンを収穫しています。
酒米農家の岩永一郎さんは…。
【酒米農家 岩永一郎さん】
「主食用米とあまり差額がなかったら、やはり主食用米に切り替えたいなという気持ちはあるけど、それは簡単にはいかない」
酒米の面積あたりの収入はこれまで主食用米より高くなっていましたが、主食用米の価格高騰で今年は逆転するケースも。
酒米は倒れやすく品質が安定しにくいため、県内では栽培が難しい酒米から転作する農家が出てきているのです。
【酒米農家 岩永一郎さん】
「背丈伸びる品種だから倒伏が心配。穂先が水に浸かったりすれば質落ちるということでそこが一番注意するところ」
苦労をしてでも責任産地として作り続けたい思いがある一方、生活のことを考えて頭を抱えています。
厳しい状況に置かれている日本酒の“作り手”。
その影響は酒蔵にもー。
佐賀を代表する酒蔵の一つ、鹿島市の馬場酒造場。
県内産の酒米の確保が難しいといいます。
【馬場酒造場 馬場第一郎さん】
「生産者が減っていくのは一番我々が恐れること。それに伴ってもちろん酒米も減ってくるし、作りたくても作れないようなかたちになるのが一番恐れる、怖い」
県内の酒蔵では近年、希望している7割から8割しか県内産の酒米が手に入っていないのが現状。
出荷時に検査する量でみると酒米の王様・山田錦はコロナ禍での大幅な作付減少もあいまって、2018年は437トンだったのに対し、去年は355トンと80トンほど減っているのです。
さらに、価格の急激な上昇も大きなダメージだといいます。
【馬場酒造場 馬場第一郎さん】
「去年より約35%、52%どうかしたら高い。そういう中で一番心配しているのは、これだけ上がったからこの値段まで上げさせてもらいますと言って、はたしてお客さんに納得してもらえるか」
価格転嫁することで日本酒離れが加速するのではないか…。
酒蔵からは緊急事態だという声もあがっています。
こうしたなか飲食店や消費者はどのように受け止めているのでしょうか。
佐賀酒を多くそろえている佐賀市の飲食店。
店長の山田友美さんはすでに値上がりは始まっていると話します。
【ばってん酒造 山田友美店長】
「どこの酒蔵も値上がりの連絡があるので少しずつひびいてはいる。ギリギリまで価格据え置きで頑張ってみて相談の結果、やむを得ない場合も出てくるのかなとは予想している」
いまは企業努力で価格を維持しているものの、今後さらに上がっていく可能性も。
一方、消費者は…。
【客】
「値上がりはあまりいまのところは気にならない」
「価格が上がっても飲みたい」
県内では特にファンが多い佐賀酒。
そんな地元の誇りを守るため、農家の負担を減らし、酒蔵の不安の解消を目指す動きもあります。新品種の開発です。
【県農業試験研究センター作物部 多々良泉部長】
「酒米は山田錦じゃないとダメだという言い方する酒蔵もいるが、お酒にはすごく適しているが農家レベルで考えると背丈が高くて倒れやすい。生産量も上がらないというようなところがあるので、そこを何とかしたいと思って開発に」
県農業試験研究センターでは1988年・昭和63年から酒米の育種を開始。
長い間研究を続けていますが、育てやすい品種ができても醸造試験をなかなかクリアすることができませんでした。
しかしついに、農家も酒蔵も両者が納得できそうな新品種の姿が見えてきました。
従来の品種である「山田錦」と比較してみると、新品種は背丈が20センチほど低く、茎も強度が増しています。
その上で、最初の醸造試験ではまずまずの反応だったということです。
【県農業試験研究センター作物部 多々良泉部長】
「酒米はやはり作りやすさだけではなく酒つくる段階でのいろいろな評価というところが大事になってくる。酒蔵と連携して今評価をしているところ」
農家が作りやすく、酒蔵が認める酒米へ。
一方、県は生産自体を支える取り組みも始めています。
【県園芸農産課 森敬亮係長】
「酒米が減ってしまいますとお酒の生産量が減ってしまう。これは佐賀酒という文化の危機ということもありますのでその大事な原材料である酒米の支援を行う」
県は高騰した主食用米との価格差相当の支援金を来年産の作付面積に応じて農家に支払うことを決めました。
山田錦であれば10アールあたり5万円を補助するということです。
【県園芸農産課 森敬亮係長】
「この支援を通して酒蔵と酒米生産者が深い結びつきを得て、主食用米高騰、こういったものも今後あるかもしれないので、そのときは結びつき・絆で乗り越えられる体制つくっていけたら」
佐賀の米で佐賀の酒を未来へ。
大切な佐賀の文化を守っていくために試行錯誤が続いています。
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